白狼さんもふもふ

「ジークヴァルトのお腹をモフモフさせてください! 」

 死竜討伐からレイアスタンピード攻防戦という大仕事を終えて帰ってきた二人、何故か希美子に「まだ白狼のままでお願いしますっ」と言われて首を傾げていたジークヴァルトに開口一番希美子が言った台詞がこれだ。

「……俺に腹を見せろって言ってんのか? 」

「いいえ! こんな見るからに神々しいモフモフにそんな事は言わないよ! 」

「……………………」

 神々しいと言いながら、ただの『モフモフ』扱いとはこれいかに。
 見るからに嫌そうな顔をしている大きな白狼のジークヴァルトに希美子は小股でいそいそと近づくと「では、失礼して……」そう言って四足歩行の白狼の下へ潜り込むと――仰向けに寝転んだ。

「…………」

 ツガイの意味不明な一連の行動をただ目で追っていた白狼ジークヴァルトの前脚の間には希美子の顔があり……その瞳は見た事がない程キラキラと輝いでいた。

「さあジーク!! 」

「………………」

 どうしろと言うのか。
 ジークヴァルトへ両手を広げてキラキラしてるツガイを見ながら彼は黙り込んだ。
 リビングスペースの絨毯の上に突っ立っている大きな白狼に表情は無い。

「そのままっゆっくり、伏せて……ッ!! 」

 凄く嫌だ。

 しかし彼のツガイは期待感いっぱいのキラキラな瞳を向けたまま今か今かと待っている。

「………………」

「さあっ!! 」

 コイツは何故、断られるとは微塵も思っていないのだろうか……?

「……………………………………わかった……」

 まあ、断れないのだが……。
 ジークヴァルトはとっても微妙な気持ちになりながら、希美子を潰したりしないよう細心の注意を払ってゆっくりとその場に伏せ――途中で「ふふぉおおぉぉお……ッ」などと言う珍妙な奇声が腹から聞こえて少しビクッとなったが――希美子の顔のすぐ横に顎を置いた。

 断続的に聞こえる奇声は聞こえないフリをする。精神衛生的な意味で。
 やがて少し落ち着いてきたのか、しかし少し息を荒くしながら希美子がジークヴァルトを呼んだ。

「なんだ……? 」

「幸せです…………」

「……………………そうかよ」

 再び奇声を発しながら腹の下でモゾモゾしているツガイが少し怖いしくすぐったい。

 しかし希美子は「やっぱりお腹の毛柔らかい気持ちいい……」なんて言いながら全身でジークヴァルトの毛並みを堪能中である。

「さいこう、やばい……しんじゃう……幸せすぎる……」

 語彙力まで危うくなってきた。
 しかもさっき死にかけたばかりだお前は。

 いつまでこうしていれば良いのだろうか……? ジークヴァルトは起き上がるタイミングを模索しはじめていたのだが、彼のツガイは予想の斜め上を行き続けた。

「ジークヴァルト、裸になってもいい……? 」

(?!!?!!?! )

 いや、いくらなんでも斜め上過ぎるだろうとジークヴァルトは希美子の顔を覗き見て――

「全身でこのモフモフを感じたい……絶対に気持ちがいいと思うの……だめ? 」

 頰を高揚させながら完全にイッちゃってるソレと目が合って激しく後悔した。
 そうだ、自分のツガイはそこそこの変態だったのだと白狼ジークヴァルトは思わず遠い目をした。

「い、いいよね……? 」

 なぜ了承の方向で断定系を使うのか。
 キラキラな瞳のせいでクエスチョンマークが仕事をしていない。

「…………………………ああ 」

 再び希美子が奇声をあげながら今度は彼の腹の下でモゾモゾと服を脱ぎ出した。
 酒を飲ませた覚えはない、何が彼女をここまで駆り立てるのかジークヴァルトにはさっぱりわからないなと思っていた時、先程まで感じなかった『ある匂い』に気付いて彼はいよいよ混乱してきた。

「…………おい」

「え、膝当たっちゃったかな? ごめんね今パンツ脱いでて……」

「……おい 」

「待って待って、よし脱げた! 何ジーク? 」

「お前、なんで発情している? 」

「え、だって気持ちよくって……ふあぁぁあっ圧迫されてるうぅ……」

 ジークヴァルトが思わず脱力したので大きな狼の全体重とは言わないものの、結構な重さが希美子にのしかかった。

「………………」

「アッ……だめ、ジークヴァルト……あぁんっ 」

 駄目とは言うがジークヴァルトはのしかかっているだけで何をしているわけでもない。
 それなのに彼の腹の下でビクビクしている。

「……………………」

「ふあっ……んんんっ、んあっ……は、うん……」

 ジークヴァルトはなんだかとても居た堪れない気持ちになってきた。
 自分が何をしているわけでも無く、腹の下のツガイはジークヴァルトが愛撫している時のように身悶え高まってる。

「……おい「ひゃううぅぅうんっ!!」……………………」

 ジークヴァルトが再び脚に力を入れて立ち上がろうとした時、腹の下でビクビクと盛大に震えたと思ったら……クタッとした。
 なんだか嫌な予感がしてジークヴァルトは起き上がり、腹の下のツガイを確認し――

「は……はぁ……はぁ……はぁ……」

「……………………」

 後悔した。

 完全に素っ裸になっていた彼女はほんのり肌を赤らめて、涙目になりながらピクピクと痙攣している。

 達したようだ。ジークヴァルトの腹の毛並みで。

「………………」

 何となく面白くない気持ちになりながらも、何となく面白い気もする。
 彼女は、ジークヴァルトがこのままあんな事やこんな事をしたら……?
 ちょっと試してみるか、くらいの軽い気持ちだった。

「ッ?!!?!ひゃあああんっ!あっああっ?! 」

 ジークヴァルトは大きな長い舌で彼女の腹から胸にかけてべろりべろりと舐め回してみた。

「ひゃあっあんっだめぇっ! ああんっそんな! そんなあっアァッ――――ッ!! 」

 彼女の中心から欲望の香りがけぶるように匂い立っていく。
 彼女の胸の膨らみを覆うような平たい舌で、たゆんたゆんと揺らすように舐め上げてはそれにたまらないと言った具合に身を捩らせながら感じるツガイ。

 右を――たゆん、たゆん

「ああっジーク、やめっ……アァッ 」

 左を――たゆん、たゆん

「も、そんな……きもち、いっダメッあんっ」

 お腹を――

「ッア―――― 」

 首筋を――

「はううううっ! 」

 右胸行って左……

「きゃあああっ――」

 …………なんだろうか、なんだか自分がとてつもなく変態じみた行為をしている気になる。
 ジークヴァルトは獣人なのだが……。
 獣人同士なら、まあ、こんな行為もあるにはあるはずだ。

 だが……と、ジークヴァルトはチラリとツガイに目を向けた。

「ジーク……」

 めちゃくちゃ期待した目でキラキラとこっちを見ている。

 この変態――興奮し過ぎである。

 たぶん、こう、獣人同士なら同じ事をしてもこうはいかない筈だ。たぶん、絶対。

「………………」

 でも、まあ、なんだ。
 悪い気がしない自分がちょっと嫌だなと思うジークヴァルトである。

 ふんふんと鼻を鳴らして希美子の胸の谷間から腹へ鼻先を移動――

「ああん! お鼻だめぇっ」

 ちがう、コレはプレイのつもりじゃない。

「ああっ、おへそきもち……あ……ああ……」

 希美子の声が期待に満ちたように甘く甘くなってきた。
 何故なら彼女のお気に入りらしい、少し湿り気を帯びた狼の鼻先が茂みに触れ……はふっと口を開けた時――

「きゃあああんっ! 」

 ……どうやら獣特有の温かい息、それから唾液がちろりと垂れて彼女のワレメに落ちてしまったようだ。
 しかし、希美子の超反応にも慣れてきたジークヴァルトはそのまま、大きな舌で彼女の中心を舐め上げた。

「ッ――――――!! 」

 途端、打ち上げられた魚のようにビクビクと身体を跳ねさせた希美子。

「ッツ!!――ッ――ッ!!」

 構わずフェンリルヴァルトは尻の穴から蜜壺から花芯までひたすら往復するように舐め回し続けた。
 漏らしたように溢れていたそれを全て舐め取り、後から後から流れ出るツガイの欲望を飲み込んでいく。

 希美子は小刻みに震えながらイキ続けた。

 自分の股間を舐め続ける神々しい白狼を眺めながら、興奮し続け豆をぷくぷくと尖らせた。
 大きな舌に豆が舐られる度に絶頂の心地を味わった。

 ――ツプリ

 大きな舌が蜜壺の入り口に当てられる。

「あっ……あ、ああ……」

 ズ……ズル……

 ヒクヒクと物欲しげに動くソレに押し入ってくる獣の舌。

 開いたままの白狼の口からダラダラと唾液が溢れ、希美子の股間を愛液以外のものが濡らしていくがソレにも最高に興奮して震えてしまう希美子。

「ああ……気持ちいいの、狼さんの……ジークの……べろ、きもちいの……」

 ズル……ズル……ズンッ

「ッあああ――――」

 子宮口を捉えた逞しい舌先がぐにぐにくるくると舐め回し、それに連動して擬似的に小刻みに突かれるようなかたちとなった。
 唾液と愛液の潤滑剤が希美子の下半身をべちょべちょに濡らしながら、獣の舌は彼女の穴を犯しつくす。

(ああこんな……こんなこと……きもち悦過ぎておかしくなる……)

 希美子は頭がバカになりそうだと思った。
 それ程までに『狼の姿になったジークヴァルト』にされるこの行為は刺激的で――彼女の性癖全てを満たした。

 やがて獣は舌を出し入れしはじめた。

 グッと奥へ入れては蜜壺の前部分のザラリとしたソコを舐め上げるように舌を引く、そしてまたグッと穿つ、舐め上げる、穿つ、その繰り返し。

 舐め上げる、穿つ、舐め上げる、穿つ

「ァッ――ァッ――ッアァッ」

 舐め上げる、穿つ、舐め上げる、穿つ

(きもちい、きもちい、きもちい、きもちい――)

 希美子の中心を穿つ獣の舌の力は強く、舐め上げた拍子に彼女の腰が持ちがある。
 まるで希美子が横になったまま腰を上下に揺らしているような卑しい動きをさせられ、彼女の興奮は最高潮へ達していく。

 舐め上げる、穿つ、舐め上げる、穿つ
 舐め上げる、穿つ、舐め上げる、穿つ
 舐め上げる、穿つ、舐め上げる、穿つ

「きもちいっ――!!ジークヴァルトぉっ!だめぇっいっちゃうううっ――――アァッ――――――――ッ」

 最後は希美子の腰がぐんっと力を帯びて上に突き出すようなかたちで数秒止まると……ビクビクッと跳ねてからくたりと力と意識を失った。

「………………」

 ジークヴァルトは満足そうに眠るツガイを見てからすぐに洗浄魔法をかけ、思った。

 この、巨大化した雄を挿れろと言われなくて良かった、と。

 ……赤ずきんちゃん型ならまだしも、この雄じゃないと満足出来ないと言われたら色々と困る、彼女と同じ人型で愛する事に思いのほかこだわりがあったのだなと気付いたジークヴァルトであった。