狼獣人番外編

狼獣人番外編

夢の誘い

 ここは、女神セレスの祝福を一身に受けると言われるイスターレ王国の宝石レイア。  小高い丘に建つ、カントリーハウスのリビングでうめき声をあげる女が一人。  ソファで愛剣の手入れをしていたジークヴァルトは振り向いた。  木...
狼獣人番外編

夢の誘い 2

――カタリ  ベッドサイドのテーブルに何かが置かれた音で希美子は目を覚ました。 「……ジークヴァルト? 」 「……飯だ、食えるか? 見よう見まねだが……食えるモンにはなったが 」  そう言って、すっかり暗くなってし...
狼獣人番外編

まだまだ痛い

 朝の爽やかな風が希美子の寝室に流れていた。  今イスターレの気候は日本で言うところの秋口くらいである。  希美子がこの世界に来た頃も別段暑いと感じなかったのだが、ジークヴァルトによるとこの国は春と秋が長いらしい。  年...
狼獣人番外編

聖セレスの日

「聖セレスの日? 」 「そう! この世界にもクリスマス的な日があるらしいんだよ希美子ちゃん! 」  イスターレ王国の宝石と称される美しい街、レイアにも冬が訪れていた。  希美子が来てから5ヶ月ほどが経った訳だが、ここレイ...
狼獣人番外編

聖セレスの日 ※

「じ……く、ね……お願、もう…… 」  本当にもう無理。と、希美子は思っていた。  昨日のアレ、あんなモノは絶対にダメだ、後に戻れなくなってしまう。  一晩中注ぎ込まれた今、微かに残る理性が先ほどから、けたたましく警笛を...