インキュバス編

インキュバス編

異世界行ったらインキュバスさんと即えっち!1

  異世界アントワールの魔人領の一つ『カルカテルラ』は、まだ昼下がりだというのに不気味な霧と厚い雲に覆われ風は湿り気を帯びていた。  この街は人族の国との国境に位置する。  今代魔王が人族達に『不戦』を宣言してからというものポ...
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異世界行ったらインキュバスさんと即えっち!2

優香は先程まで本棚に囲まれた場所に居たというのに、目の前に広がるのは霧のたちこめる暗い空間だ。 女神と対話した空間とも似ている、が、あちらは明るくて神聖な空気を感じたのに対して、こちらはじっとりとした湿り気と不気味さが漂っていた。 ...
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異世界行ったらインキュバスさんと即えっち!4

 パチンと、ラウロが指を鳴らしたその時、優香は見知らぬ場所で目が覚めた。 「え…… 」  先程までの激しい行為の跡が無くなり、何人もいたラウロは優香の上に一人居るだけだった。  艶めかしい美丈夫では無いボサボサの髪の毛の...
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異世界行ったらインキュバスさんと即えっち!5

「私……だけじゃ、イヤ……なの。ラウロも、気持ちよくなって……わたし、わたしだけじゃ…… 」  自分だけが気持ちよくなる為の行為なら、優香の身体を労わることもせずに抱いたあの男と何も変わらない。  そう、優香は思った。優香自身...
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異世界行ったらインキュバスさんと即えっち!6

 情事を終えて優香の夢から出たラウロは、自分のベッドで眠る優香の髪を一房取ると口付けてその安らかな寝顔に優しげな瞳を向けていた。  インキュバスに生気を吸われた人間は、みな彼らの与える夢に夢中になれど、その後は少し顔色が悪くなるもの...
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異世界行ったらインキュバスさんと即えっち!7

「うわぁ……はろうぃーん……」  優香は今、魔王都を一望できる小高い丘の塔にいた。  なんでも『落ち人』である優香は一度魔王様に会っておいた方が何かと都合が良いらしいのだが、ラウロには「優香が嫌だったら魔人領を出てもいいんだよ...
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異世界行ったらインキュバスさんと即えっち!8

 数多の尖塔が、暗雲へと挿すように伸びる魔王城は、それを形作る煉瓦すらも黒かった。  城の窓から漏れ出る光を総て落として、夜の帳に包まれたなら人族の目ではその姿を探すこともままならない。  長い歴史の中で勇者だけがこの城を見つ...
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異世界行ったらインキュバスさんと即えっち!9

 深紅のビロードが敷かれた魔王城の中を、興味津々といった視線を隠そうともしない魔人から、優香を守るようにしてラウロはエスコートしてくれた。  しかし、優香は今それどころではない。 『ああ、そっか! まだまだたくさんエッチしな―...
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異世界行ったらインキュバスさんと即えっち!10

それは水晶で作られた露天風呂を想像して欲しい。水晶はパールホワイトだ。  しかも淡く光輝いている。  そんな露天風呂の中に乳白色の湯がたっぷりと張られていて、しかも掛け流し。  キラキラと輝く浴室、パールの輝き、温かな湯...
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異世界行ったらインキュバスさんと即えっち!11

 凄く嫌な音がした。ラウロの頭が部屋の床に減り込むようにしているし、ラウロはピクリとも動かないしで、優香は何故すぐに助けに入らなかったのかと自分を責めた。 「ラウロさ……ラウロ……らうろぉ、やだ……離してくださ、離……離してよぉ……...
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異世界行ったらインキュバスさんと即えっち!12

「優香おいで、洗ってあげる 」 「いやあのえっとあの?!!?! 」  たじろぐ優香に押すラウロ。  それもそのはず、ラウロのチャームポイントであるボサボサの黒髪が既に濡れていて、ラウロの色っぽい目元が隠れていないし、濡れ...
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異世界行ったらインキュバスさんと即えっち!13

 優香は今、浴槽の淵にすがるようにしてラウロの責めを受けていた。  水晶のようなすべすべとした大きな岩に抱きつくようにしている優香。それを追い込むような形で後ろからその身体全部に、あのゴツゴツとした骨張った綺麗な手で触れられると、優...
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異世界行ったらインキュバスさんと即えっち!14

「醜いでしょう? 人に快楽を与え生気を貪る為に進化してきたインキュバスの姿だよ 」 「あひィッアッ……は、アァ――ンッ! 」  優香の尻に信じられない快楽を与えたのは、ラウロの尻尾だった。  細く長い四股の尻尾はそれぞれ...
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異世界行ったらインキュバスさんと即えっち!15

「気持ちいい? そうだよね、どうしたってインキュバスの種付けは気持ち悦くなるんだ。事を終えるまでに逃げられないように 」  優香の奥にたどり着いた細い生殖器は、ツプリと子宮口へ直接挿入された。  ――ぷちゅっ……  イン...
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異世界行ったらインキュバスさんと即えっち!16

――きもちいきもちいきもちいきもちい  絶え間なく与えられる絶頂の中、優香の頭の中はそれだけに支配されていた。  ぶちゅっぐっちゅぬっちゅぬっ…… 「あひぃぃいい―――― 」 「優香の中……気持ちいい、ぎゅうぎゅう...
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異世界行ったらインキュバスさんと即えっち!17

「で、お前はどう思ってるんだ茜? 」 「はぐっはぐっ……もきゅもきゅ 」 「……………… 」  ところ変わって、とある執務室。  こちらも他の部屋の雰囲気と変わらず、ゴシック感漂う黒を基調とした室内だ。  執...
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異世界行ったらインキュバスさんと即えっち!18

 ラウロが物心ついた頃、彼はとある人族領のスラムにいた。  淫魔は生まれてすぐに急成長を遂げ、人族で言う七歳児位まで3日で成長する。  これは魔人基準でギリギリ一人で生きていける程度の大きさだ。人族の腹で魔力を溜め込み、生まれ...
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異世界行ったらインキュバスさんと即えっち!19

『魔王軍大将以上、上位幹部二通達シマス。魔王城城内ニテ、登録記録ノ無イ上位精神体ノ発現ヲ確認。脅威レベルAクラス『始祖』レベルト推測シマス――繰リ返シマス――』  緊急事態を幹部達へつたえる魔王城の警報に反応して、それまでトライフル...
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異世界行ったらインキュバスさんと即えっち!20

『――やっと、見つけたぞ 』  それは突然のことだった。  ラウロのキスで夢見心地になっていた優香の首筋を、細かい砂の塊が撫でつけたような不快感。 『愛しい落ち人よ、我のモノとナレ―― 』  その声がソレを言い終わ...
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異世界行ったらインキュバスさんと即えっち!21

 優香は目の前の惨状に悲鳴を上げる事すら叶わなかった。  茜の話を信じるならば、ここは精神世界という事になる。夢魔が最も力を発揮出来る場所だ。  茜は先ほど、優香にラウロを止めてくれと言っていた。  姿こそ昨日この精神世...
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異世界行ったらインキュバスさんと即えっち!22

「じゃあラウロ、優香ちゃん、エルサリオン達に繋ぐから優香ちゃんはここから中に入って来ちゃダメだよ! 」  ヒューバートとラウロが戦争起こすとエルサリオンが困るからね。なんて物騒な事を言いながら仔猫に戻った茜が小さな前脚で境界を引く。...
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異世界行ったらインキュバスさんと即えっち!23

 茜猫が言葉を発すると同時、何か回線が繋がったからのような変化が起こった。  茜猫の前方へさらさらと光の粒が現れ、人型をとって行ったと思ったら――その場に魔王エルサリオンと吸血騎士ヒューバート姿が現れた。  優香は何となく、S...
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異世界行ったらインキュバスさんと即えっち!24

「インキュバスの始祖がセラフィーノの事を……? 」 魔王城で与えられたラウロの部屋は、暖炉のあった最初の間だけではなかった。 浴室のある場所とは反対側のアーチ壁を潜ると扉が数個あり、着替えた優香がラウロにエスコートされたのは一...
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異世界行ったらインキュバスさんと即えっち!25

「ヒューバートさんが!!モテないオーラなのは何でですか?! 」 「」  会議室に重い沈黙が降りた。 (え……あれ……私、今なんて――……)  優香は勢いで言った。言葉が脳を素通りしてそのまま出たのだ。一瞬自分が言っ...
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異世界行ったらインキュバスさんと即えっち!26

 晩餐はそのままラウロの部屋で行われた。  メンバーは会議に居た面々である。  相変わらずハロウィン期間中にホテルで行われるイベントバイキングのような料理が中心だったが、ちゃんと『チーズの色をしたチーズフォンデュ 』や、衣は紫...
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異世界行ったらインキュバスさんと即えっち!27

「ねぇ、俺と……普通のエッチがしたいって? それが今、優香の一番求めるものだって知った時の俺の気持ちがわかる? 」  ふわふわのベッドに優香を横たえると、ラウロは覆いかぶさるようにして唇の雨を降らせた。  優香はラウロのこれが...
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異世界行ったらインキュバスさんと即えっち!28

 目が覚めた時、窓の無い寝室は眠る前と同じく薄暗かった。   「目が覚めたの? 優香 」 「ラウロ……起きてたんですか……」  優香はラウロの胸に抱かれていて、彼の表情がわからなかったけれど、その優しい言葉にホッと...
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異世界行ったらインキュバスさんと即えっち!29

 膝頭に唇を落とされて下肢を震わせる優香だったが、ラウロの唇はそのまま彼女の柔らかな内股をなぞり降りていく。 「ぁ……はっ……ぁあ ──ッ 」  期待に満ちた優香の嬌声を感じ入るような表情で聴きながら、時折チュッと啄むようなキ...
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異世界行ったらインキュバスさんと即えっち!30

 かくん……かくん……かくん……かくん……  意識の無い恋人の中心を貫いたまま、夢魔はゆっくりと抽挿を繰り返していた。 「意識が無いのに、こんなにキュウキュウ俺のを締め付けて……魔力の媚薬効果には本当に気をつけなくちゃいけない...
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異世界行ったらインキュバスさんと即えっち!31

───優香の可愛いココ  ───隅から隅まで舐めてあげるね 「ふ……ひぅっ、く……ぅう、ンッ…… 」  ぴちゃりぴりゃりと、ベッド以外何もない空間に甘く卑猥な水音が響いていた。  ラウロは優香の腰を高く持ち上げ、腰...
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異世界行ったらインキュバスさんと即えっち!32

「え……と、これは一体? 」 「優香の服だよ? 好みのものがあればいいんだけど 」  優香が目覚めた時、身体はお風呂上がりのようにさっぱりとしていて、シーツも清潔なものに変えられており、一瞬今朝のことは全て夢だったとかと本気で...
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異世界行ったらインキュバスさんと即えっち!33

「……ラウロ、誓いの言葉を──いや 」  そこまで言って、エルサリオンは少し考える素振りをした。 「……ここでは、少し味気ないだろう。誓いの言葉は向こうで告げればいい。……茜、行こう 」 「えぇー? ……まあでも確かにそ...
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異世界行ったらインキュバスさんと即えっち!34

「あらあら、仲良しさんねぇ? ね、セラフィーノ? 」  広くて温かいラウロの腕に閉じ込められて、少しうっとりしてきてしまった所に突然聞こえた誰かの声。  人がいたのかと焦る優香だったが、山々に囲まれた山岳地帯の麓に位置する小さ...
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異世界行ったらインキュバスさんと即えっち!35

 インキュバス二人、そのツガイが二人。四人仲良くディナーとなった、いやチーズパーティーと言ったほうが妥当だろう。  すみれがシーザーサラダを取り分けてくれた際に、どこからともなく取り出したチーズソースで追いチーズソースしてこようとし...
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異世界行ったらインキュバスさんと即えっち!36

 割れたコップを片付けようとした優香だったが、聞き取れないほど小さな声でラウロが何かを呟いた次の瞬間、あたりに眩い光の粒が立ち込めて割れたグラスやこぼれたコーヒー潰れてしまったチーズケーキを包み込んだ。  するとどうだろう、その光が...