デキる営業に迫られてます〜ただしおっぱいフェチである〜

「手フェチだっていう桃香ちゃんには俺の手を貸してあげる。だから俺にはおっぱいかしてよ。お互いオナニーの手伝いするっていうの、名案じゃない? 」

 酒の席のノリでそんな馬鹿げた提案をされた事は覚えていた桃香だった。それが、こんな事になるなんて。

「ね、俺の指。きゅうきゅう締め付けてくるよ桃香ちゃんの中、そんなに俺の指が好きなんだねぇ? 」

「んんーンッ、んん───ッ 」

 下の口にも上の口にも、桃香の大好きな指が突っ込まれて頭が蕩けてしまいそうだった。

 人事の桃香と営業の彼────佐藤一真の接点は、そう無い。彼が持ってくる書類は女子の間ではいつも争奪戦が巻き起こるし、そのおかげで丸々仕事を譲る事になったりと楽が出来たので桃香は感謝していたが、関わりたいと思ったことは無い。

 まあ楽なばかりではなく、本来やらなくても良い調整が増えたりもした訳だけれど。恋する女子が怖いことを知っている桃香は、適当に彼女たちを応援しておいた。

 佐藤一真はイケメンだ。

 仕事もできる。モテる。アレは百戦錬磨の女子オブ女子の為の獲物である。

 しかし事が起こったのは今年最後の社内忘年会。人事にとって地獄の年末が終わり毎年半ば屍の桃香だが、忘年会シーズンは同期に呼ばれたり女子だけでやったり上司に呼ばれたりと忙しなく。

 飲みの場で自分が誰と何を話しているのかもわからなくなってきた頃にそれは起こった。

「へぇ、桃香ちゃん手フェチなんだ? 」

 いつの間にか隣に佐藤一真が居た。

 端っこにいる桃香のすぐ後ろに。なぜ。

 近くに居た同期の女の子とフェチの話をしていて、その会話がひと段落ついた上で彼女たちがトイレに立ち──桃香がレモンサワーで喉を潤した、何もかもが絶妙なタイミングで営業の『デキル男佐藤一真』が桃香に声をかけてきたのだ。

「あ、うん。そうだね 」

「ねぇ、俺のはどう? 結構女の子に褒められるんだけど 」

 そう言って、スラリと長い指を開いて見せた。

 長いだけでは無い、ゴツゴツと骨っぽくそれでいて大きい。血管の浮き方も絶妙な────理想の手がそこにはあった。

 ──ゴクリ

 桃香は知らず生唾を飲んだ。

 のを隠す為にすぐにレモンサワーを一気に煽る。

「……手だけは、素晴らしいと思います」

 下を向いて言った桃香と、それを表情の読めない人好きしそうな顔で見ていた佐藤一真は畳み掛けるように聞いた。

「ね、じゃあ顔は? 」

「イケメン過ぎるので心臓に悪いです」

「スタイルは? 」

「……佐藤さんってジム通ってますよね? スーツの着こなし方が心臓に悪いです 」

「……ふうん? 」

 もっと言うなら、その手だって理想過ぎて心臓に悪いのだ。

 総合して『心臓に悪い男』それが桃香にとっての佐藤一真だ。

「なので、もうあっち行ってください。心臓に悪いです。あ、女の子達待ってます?私の同期可愛い子多いですもんね、どの子がタイプですか? 応援しますよ 」

 そしてとっととくっついてくれ。仕事が減るといっても調整に時間が掛かったんじゃ同じなのだ。

「俺はね、胸フェチなの 」

「私の話し聞いてました? じゃあ希美子かなぁ? 旅行に行った時見ましたけど、アレは凄かった…… 」

 でも希美子も女子には珍しく佐藤に興味が無さそうにしていたかもしれない。

(こんなにイケメンでも理想の女の子に好かれるとは限らない、かぁ……)

「桃香ちゃんのおっぱい好きだよ? 」

 失礼な事を考えていた桃香に、失礼どころかセクハラ紛いのことを言い出した佐藤に桃香は面食らった。

「……ぇ、セクハラです? しかも私別に大きさ普通ですよ? むしろ嫌味です? 」

 思わず無い胸を服の上から両手で隠してしまった。

 すると、佐藤一真は誰もがそれだけで何もかも許してしまいそうなキラキラとした微笑みを浮かべた。

「違う違う、前から桃香ちゃんが俺の手よく見てるなーって思ってて提案したいなって思ってた事があったんだよねぇ 」

「は、提案……? 」

 ちょっと耳貸して、そう言われた桃香が怪しみながらも片耳を佐藤に向けると、口元を形の良い噂の手で隠しながら低くて甘い声で囁くように言った。

「俺は手フェチのアンタにこの手を貸してあげるからさ、俺にはおっぱいかしてよ。お互いオナニーの手伝いするっていうの、名案じゃない? 」

 佐藤一真は、声すら心臓に悪かった。

 と、言う事に気付いた桃香は、この『提案』の半分も一度には理解できなった。

「下、二本に増やすよ? 」

「んんん────ッ!! 」

「あっは、イッちゃった? 可愛いなぁ

 桃香ちゃん。動かしたらどうなっちゃうの? 」

 桃香の小さな口に入れられたゴツい指が、舌を挟んだり、ほっぺを内側から押してみたりとずっと悪戯してくる。

 あの、佐藤一真の形の良い指が、桃香の理想の手が桃香の口内に悪戯している。

 そう思うと溜まらなくて、桃香は佐藤の指にちゅうちゅうと吸い付いた。

「……可愛い 」

 目を細めて、思わずといった風に佐藤か呟いた。

「ね、約束。俺の指、いいでしょう? 桃香ちゃんもおっぱい見せて? 」

(約束……? おっぱい……? )

「ほら、俺の指でオナニー気持ちいいでしょう?手フェチの桃香ちゃん。俺は胸フェチだから、桃香ちゃんのおっぱい見たいな? 」

(そっか……私だけじゃ不公平……不公平……? )

 上も下も理想の指に塞がれて、思考がトロトロと蕩けた桃香はそのままブラウスのボタンに手をかけた。

 一つ、二つ……プツプツとボタンを外して、横になったままでは脱ぐ事は難しくて。

 仕方ないので桃香は肌けたブラウスはそのまま前を開かせて、背中に腕を回してホックだけを外した。

 ふるりと自由になった胸がこぼれ落ちて、桃香はブラをくいっと上に引き寄せ佐藤に見えやすいように露出させた。

「これ、で……いい? 」

「ッ…… 」

「ッあん?! 」

 恥ずかしくて、佐藤の顔を見れないままそう言ったら、気づけば佐藤の頭が胸にあって。

 胸の中心にピリリと甘い痺れを感じた。

 先ほどまで桃香の口を塞いでいた指は、中心の薄紅色を摘んでくにくにとコネ始めた。唾液に塗れぬるぬるとした指先は、まるで舐められているように感じてしまって桃香は堪らなかった。

 もう一つの胸を、乳房の柔らかさを堪能するような動きで味わうように佐藤の舌が這い回る。

 いつも女の子に囲まれて、人好きする笑みを浮かべている佐藤の瞳が桃香に向けられた事なんか無いのに。

 今の彼は桃香の胸に夢中だった。

 桃香が、彼の指を蜜壺に挿れられただけで腰が抜けてしまったのと同じく、彼も桃香の胸に限界まで興奮しているのだろうか。

(佐藤さんが胸フェチで良かった……私の胸が好きって言うなら、私にもチャンスが────……ぇ? )

 一瞬、己の思考を過った卑しい考えに戸惑った。

(え、チャンスって何……? 私、もしかしてあわよくばなんて……思ってる? )

 こんな、手は桃香の理想そのもので、顔もイケメンでスタイルも良くてスーツを着こなせちゃって、ついでに営業成績トップで将来性があって社内の肉食系女子みんながロックオンしてる最高に面倒そうなこの彼を。

(────好き……? )

 ────くちゅり

「あぁんっ、きもち……や…… 」

 思った瞬間、蜜壺に埋められた形の良い指がゆっくりと出し入れされはじめて、ゴツゴツとした指の関節に合わせて蜜口が押し広げられたりして、思わず素直に喘いでしまった。

「……きもち悦いんだ? そんなに俺の指が美味しい? ……すき? 」

 とめどなく流れ出る愛液を纏って、理想の指が出し入れされ続ける。

「すき……すきぃ……佐藤さんの、ゆびぃ……す、きぃ……」

 ────ゴクリ、一真の喉仏が上下した。

「そ、じゃあさ、キスしてくれる? 」

「きす……? 」

「そう、気持ちいいでしょう? 気持ちよくしたお礼に、俺にキス。……どう? 」

 ゴツゴツとした理想の指が3本に増やされた。

 出たり、入ったり。

 出たり、入ったり。

 気持ちの良い場所をゴリッとたまに擦られて。

 大好きな掌が、桃香の胸をやわやわと揉んできて、胸の奥がキュンと疼いた。

「キス……佐藤さん、なら……いいよ 」

「……俺なら? 」

「ん……ンンッ」

 瞬間、一真の薄い唇が桃香のそれを覆った。

 食べるように覆ったのに、ちゅくりと吸い付くようにして啄まれ。かと思うと、油断した桃香の唇を割って滑らかな舌が彼女のソレを捉えて犯す。

 舌を吸われ、絡みつかれ、弄ばれる事がこんなにも気持ちが悦いものだと桃香は知らなかった。

 繋がった唇が、ジンジンと電気でも流れているのかと言うほど痺れて腰を疼かせ、蜜壺の指が快楽の道に答えるかのように欲しい時に欲しいように出し入れされて溜まらなかった。

 じわじわと目尻から涙を流して桃香は感じ入る。

 整った顔立ち、その瞳は伏せられて。しかし桃香の視線のすぐ先にある。

 いつの間にか桃香は無意識に一真の背中へ腕を回して縋り付いていた。

「んん──ッ、ん、ん…… 」

 漏れ出そうになる一真の唾液を飲み込むと、伏せられた彼の瞳が一瞬開かれた気がした。

 揉み解すようにしていた掌、その指の腹が桃香の薄い桃色を捉え、クリクリとこね出した。

「くぅ、ンンッ────ッ 」

 蜜壺に埋められ出し入れされていた指とは別に、形の良い彼の親指の腹が桃香の快楽の粒を捉えた。

「ッ ────!! 」

 視界が光った。一瞬にして全てが白になって、パチパチと快楽が弾け続けた。

「ぁ……は……あぁ……ッ」

 ビクビクと震える、全身がじんわりと痺れを持って気持ち悦くて、幸せで。

「…………可愛いなぁ 」

 佐藤はそう呟くと、桃香の頭を優しく撫でておでこに啄むようなキスをした。

 ちょっと待ってて、そう言ってベッドから降りようとした佐藤のシャツの裾を桃香がクンッと引っ張った。

「いや……桃香ちゃん、俺ちょっとトイレ……こう、俺の一番太い指がね……オカンムリと言いますか…… 」

「……指なら、挿れて 」

 快感にフワフワと浮かされながら桃香が言った言葉に、イケメン佐藤はグッと前屈みになった。

「佐藤さんの、ちょおだ……」

「待って桃香ちゃん! 本当に待って! もう勘弁して、俺の負けだから! 認めるから! 」

 若干涙目で叫ぶように言った佐藤はベッドに座り直すと、桃香に言い聞かせるように屈んで一言一言言い含めるように言葉にした。

「俺は……実は、桃香ちゃんがすきなので! 大好きなので、嫌われたく無いっ! 」

「…………ぇ? 」

 桃香はぼうっと惚けていた頭の中に、予想外過ぎる言葉がブッ込まれて固まった。

「あぁ、えっと……俺、自分に興味の無い女の子ってだいたいわかるんだよね。好意を持ってくれてる子はもちろん、弟みたいに思われてるなぁとか下心あるなぁ無いなぁとか、勿論気のせいって時もあるけどだいたい合ってて…… 」

 これがモテる男のスキルか、佐藤は「あー」とか「うー」とかいいながら嫌味にならない言葉を選んでいる様子だった。

「桃香ちゃんはもう本当に俺の顔に興味無かったよね、手しか見られてなかったし」

 そういえばバレてたのか、と、桃香は思ったが話の腰を折るほどの衝撃でも無いので流しておく。

「俺に興味の無い子って、だいたい……その、俺絡みで損をすると言うか被害を被るから……俺だいたいすっごく嫌われるのね? 」

 ああ、あるかもしれない。なんとなくの想像で予想のつく話しではある。

「……なん、だけど……桃香ちゃんずっと普通だったじゃんか。いくら手には興味あってもそこまで寛容になれるかなぁって……仕事の調整とか、アレ俺のせいじゃんお盆明けにトラブったやつとか 」

 盆明け早々に残業が続いて帰れなくなった事はあった。桃香はそれとなく思い出して「あ……」と、声をあげる。

「もしかして出張のお土産が妙に豪華だったの……あ、残業してたら友達待ってるついでとか言って手伝ってくれた…… 」

「謝るのもおかしいし、人に見られても言い訳ついてなおかつ出来ることって言ったらアレしか……本当ごめん。いや、そうじゃなくて、いや、謝りたかったけどそうじゃなくてね! 」

 思わずなのか、寝そべった桃香に覆いかぶさるようにして佐藤が言いつのった。

「だいたいあそこのタイミングで嫌味の一つも言われるの、俺。なのに桃香ちゃん全然普通だし、優しいし! 」

「いや、そもそも佐藤さんは悪くないですし?! 」

 むしろ確か佐藤はあの時、お盆返上で出張へ行っていた帰りだった筈だ。物のついででは無くただ手伝わせていたのだとしたら申し訳なさが半端ないのは桃香の方だった。

「それでも! あんなふうに接してくれたの、桃香ちゃんがはじめてだったし……俺 」

 このイケメン、チョロ過ぎる。桃香は若干心配になった、いつか悪い女に騙されそうである。イケメンの癖に。

「そしたら、桃香ちゃんのこと気になって……胸フェチって言ったのも、まあ、おっぱいは好きだけどやっぱ桃香ちゃんのが好きって言うか……今日を逃したら次はいつ話せるかわからないし、酒も入ってて……そしたら意外とホテルに来れちゃうし、でも桃香ちゃん結構酔ってたから最後までしたら絶対俺嫌われるかもって…… 」

 だったらつまみ食いもしなきゃ良いのに、悲しいかな男の性。

「いや、嫌われるって言うなら『名案』とやらも普通大概なんだけど……」

「ですよね?!ッあ──! 俺本当こんなの初めて過ぎてテンパってて……」

 ぐあっと頭を抱えたイケメン……否、ヘタレイケメンことヘタメンがベッドに突っ伏した。

(…………どうしよう、可愛い )

 桃香も大概ちょろかった。

「……佐藤さん、佐藤さん 」

 チョンチョンっと団子になったヘタメンを突くと、肩越しに目だけで桃香を覗き見てきたので、それすら「可愛い」くて若干息が上がるチョロ手フェチ女子桃香。

「私も、さっき気づいたんですけど……佐藤さんの事、多分好きです 」

 言い終わるか終わらないかのタイミングでガバリと起き上がったチョロメンが目を丸くした。

「え、そ、それマジ?! ……ん? 多分って言った? 」

「はい、なので挿入してください 」

 ────ブッハ!!

 チョロメンの顔面が爆発した。

「私は佐藤さんが多分好きです、そして大人としてこれ以上ものを言うのは身体の相性かなと 」

「なんか桃香ちゃんが突然、オトナな恋愛に慣れた感じの事を言いはじめた…… 」

 引いてはいないものの、涙目で言うチョロメンにやはり「可愛いなぁ」と心の中で悶えつつ、桃香は続けた。

「引きますか? 」

「引かないけど……なんかモヤモヤするって言うか、多分焼きもちだけど…… 」

 ……むらっ

「ごほんっ! え─……、最後にお付き合いした人が3年前の数ヶ月ってレベルですし、オトナな関係()とかも勿論無いので安心して下さい 」

 言ってチラッと見ると、ぱあぁぁあっと元からキラキラしい顔をさらにキラキラさせたチョロメンが居た。

「………… 」

「えっ?! なになになになに桃香ちゃん何?! なんで俺押し倒されてんの、あ、ちょ、ベルト取るの早っ──いやちょ、ファスナー……ぅうわわわわわわわ?!!?! 」

「……佐藤さんが悪いです 」

 すっかり濡れそぼり熟れた蜜口に一真の肉欲を当てがうと、桃香は一息に──ズンッと、自身へ招き入れた。

「いやちょ、嘘?! な、生……生なんだけど?! 」

「佐藤さんがさっさとゴムを出さないからです 」

「いや、だから最後までするつもりなんか無かっ──ッ、ッゔ、動かな……無理、むりむりむりむり、気持ち良過ぎて無理!! 」

「……………………なんか目覚めそうです 」

 会社では人付き合いも卒なく、仕事で失敗どころか常に誰かのフォローをしているような印象がある。つまり、こんな風に本気で慌てる彼なんて誰も見た事が無いだろうって言うくらい完璧なイケメンなのだ。

 それがどうだろう、桃香の一挙手一投足に気を配って様子を見て気を使って一喜一憂して。

(どうしよう……佐藤さん、めちゃくちゃ可愛い…… )

「うわちょっ……桃香ちゃん中、凄い締まるッ! 駄目ホント、ごめん本当に待って! 」

「……それは、責任を取りたく無いから? 」

「んな訳、無いでしょうが! 本当なら今すぐ結婚したいのに!! ちょ?!ああ?! 」

 一真の言葉を受けて、ぎゅんっと締め付けてしまった桃香の中に驚きとともに暴発しそうになったのを理解してとっさの判断で桃香の腰を引っ掴んで無理やり持ち上げた。

「…………」

「…………」

 間一髪、さすがの状況判断である。

「凄い量…… 」

「…………桃香ちゃん? 」

 暴発した佐藤の白濁、その量に彼の雄みを感じて思わずウットリとしてしまった桃香に、目の据わった佐藤が言った。

「責任とって 」

「……へ? 」

 予想外の単語が飛び出したので、一瞬何を言われたのか桃香の脳が理解できなかった。

「こんな恥ずかしいトコ見られたらもうお婿に行けないから桃香ちゃんが責任取って! 」

「……いいですよ? 結婚しましょう 」

 なるほど名案。とばかり桃香がニッコリ笑って言った。

「……い、いいの? 」

「はい、もう……佐藤さんが思った以上に可愛すぎて……多分、もう……なんか目覚めちゃったし……」

 尻すぼみの声に、後半は聞き取れなかった彼だが了承の意だけははっきりと伝わったらしい。

「ただちょっと、職場に残るのは怖いので……私たちの関係は、辞める報告の後に引き継ぎが終わってからという事で…… 」

「うん、うん……うん! 」

 ぎゅううっと桃香の胸に抱きついた一真が、胸にすり寄るように頷いているので「胸フェチというのも案外眉唾では無いのかもしれない……」と、桃香は思った。

「じゃあ『一真』さん 」

「え、ぁ……はい?! 」

「この後めちゃくちゃセックスしましょう 」

「」

 ニッコリ笑って言った桃香の言葉に完全に理性の吹き飛んだ一真は、この後彼女にめちゃくちゃお仕置きした。

「アアッ!も、指だめぇ────! 」

「なんで? 桃香のお豆ちゃん、もっとして欲しそうだよ? ……そうだね、舐めて欲しいのか 」

「アアッ────ッ 」

 可愛い夫の最終兵器は妻の大好きな彼の指、そんな夫婦が1組誕生したのだった。