異世界行ったらインキュバスさんと即えっち!3

 意志の強そうな眉は寄せられて、眠たげだった瞳が獲物を狩る獣のように優香を見据えている。

 ――ゾクリ

 彼の瞳に、その視線に優香は感じた。

 まるでスイッチが入ったかのように押し寄せる欲の名は、きっと彼の瞳が持つものと同じ。

 ……飢えを感じた。

 日常で意識する事すら無くなって久しいそれは、無い事が当たりまえ過ぎて認識すら出来なかっただけだと気付かされた。

 男から与えられる快楽という餌、その一端をいま口にした事で己の渇きに嫌でも気付く。

 そして何よりも『この男が欲しい』という渇望――優香の全身、細胞の隅々までもがラウロを求めている。

 自分を組み敷き、確かな情欲を瞳に宿す、目の前のこの男が欲しい。

「――ッ 」

 優香はほとんど無意識に、ラウロの首に腕を回して彼の唇を引き寄せた。

「んっ、んん! 」

 せわしなく鳴り響く卑猥な水音を意識した時、ラウロの手のひらが優香の両耳を塞ぐように強く当てられた。

 ――ぴちゃ……くちゅ……ちゅぱっ、ちゅぅ……ちゅくっ

(なに――これ……)

 耳を塞がれた事で、口の中を犯す水音だけが大きく、強く、鮮明に聞こえる。それだけに頭が支配される。鼻で息をする余裕すらも次第に奪われて、でもその息苦しさも快楽に変わっていく。

 ラウロを引き寄せていた腕は力を失い、ポトリポトリと二本の腕がシーツの波に落ちた。

「――ッ!――――ッんあっ?! はっ……はぁ……はぁ……ッ?! 」

 唇が解放されて、酸素を求めて顔を逸らしてラウロから意識を離していたら――いつのまにか優香とラウロは下着すら着ていない、生まれたままの姿になっていた。

「なっなんっ―― きゃあっ?! 」

 ラウロの雄を見る間もなく腰を浮かすように持ち上げられ、ラウロの肩に脚をかけられ、優香の中心がラウロの眼前に晒された。

「え――そんっ?!ラウロ待ってくださ……ああんっ?! 」

 ラウロの柔らかな舌先に恥丘を舐めあげられて、浮かされた腰が跳ねる。

「ぅンッ……はっ……ふうっ」

 舌全体で包み込むように左右それぞれ恥丘を舐めあげられるたびに気持ちよくて、中心の小さな膨らみに舌がかすめては泣きそうになるほどの快楽が優香を襲った。

(なにこれ、すごくきもちいい――――)

 優香は男にそこを舐められるなんて初めての経験だった。

 お気に入りの同人誌や官能小説には必ずあったソレ。

 ソレを想像しては何度となく果てた。

 目の前のラウロのような色香を放つ男に、逞しい騎士に、美しい聖人に、荒くれ者に、時には仕事盛りのサラリーマンに、学生に、教師に、舐められる事を想像しては果てた。

 ――ぴちゃ……ちゅく……

「くっ……ふぅ……ふぅ……く、あんっ! 」

 想像していたよりもずっと気持ちがいい、舐められるたびにビリビリと快感が走っていく。

 ラウロは優香の身体を知り尽くした長年の恋人のように、彼女の感じる場所を的確に絶妙なタッチで責め続けた。

 ラウロに触れられた場所はどこもかしこも気持ちが悦すぎる。

(すごい、こんな……こんなにきもちがいいなんて――)

 ――ちゅるっ

「ひあっ?!あ、あ、ぁ……ァアッ!! 」

 優香の花、その蕾をラウロのぬるぬるして気持ちの良い舌が絡め取ってはちゅるりと吸われ、優香は目を見開いて固まった。

 過ぎた快感に身体は震え、その腰は――ラウロの愛撫を求めるようにググっと浮いていく。

 フッ……と、優香の中心からラウロの嗤う声がした。

 ――ちゅるっちう……ちく……れろっ……

「あっ……あ、あ、あ……ぁ」

 先ほどまでの甘い気持ち良さとは違う。

 優香の蕾が顔を出し、少し痛いくらいに敏感になったソコへぬめりを帯びたラウロの舌が快楽の芽に直接触れてた。

 与えられる快感にビクンビクンと腰が跳ねて、優香は強制的に踊らされる。

「きっ……きもち……ぃっアッ!あぁ……ああんっ!」

(すごくきもちいい――――!! )

 剥かれた蕾をラウロの柔らかな唇で食まれて、むにむにと口を動かされると尿意を感じる程に気持ちが悦い。

 そのままチュッと蕾の先を吸い込まれて彼の口の中、舌先でまるでイタズラみたいにチロチロといたぶられて優香は、はしたなく「ああもっと!」とねだってしまった。

 その時――ラウロの声が直接、優香の脳内に響いてきた。

『自分の落ち人が感じる姿はこんなにも情欲をかき立てられるんだね……可愛い優香。君が欲しがっている姿をもっとみせて』

 インキュバスの能力だろうか、舌技に翻弄されながら言葉で責められるなんて刺激が強すぎると優香は思った。

 不意に恥丘がラウロの両手、その親指で左右にひらかれた。

『花弁が色付いて糸を引いているよ、興奮してたまらない? まるで泣いているかのように蜜が溢れてくるね。……こうして欲しいんだろう? 』

「アァ! べろ、べろ入れちゃっ……あっああ…… 」

『君がこうされたいと思ってたのを知ってるよ、男の舌で……直接蜜壺を味わってほしいって思っていただろう? 』

 ――グポッ……くちゃくちゃ……

『君の味、どんなふうか知りたい? それとも下の口で俺の舌を味わう君に感想を聞こうか? 』

 ラウロの舌はまるで生き物のように、優香の中を好きに蠢いていく。

 ちゅっ……く、ちゅっ……く、ちゅっ……く、ちゅ……

「ッ! それすご……すごい……そ、アァッ――」

 蜜壺の中から滑り出た舌がそのままクリトリスを舐め上げ、また下へ――蜜壺を蠢いてはまた蕾めがけて舐め上げられては腫れて半分顔を出したそれをにゅるりと舐めとる。

 まるで優香に見せつけるかのように彼女の目をジッと見つめながらそんな事をなんども繰り返すラウロの舌技に優香は夢中になっていく。

(ラウロのベロ気持ちいい―― )

 登りつめる、駆け上がっていく――

「もっとっ……もっとぉ、ぉッ !アア――らうろっらうろぉっ」

 ぬめぬめとクリトリスの根元を円を描くようにくるくると文字通り舐めまわされて優香は堪らなくなった。

 自分の股間を舐め回している色香漂う地味イケメンを食い入るように見つめた。

 それに気付いたラウロは優香と目を合わせながら彼女のクリトリスをべろりと舐めあげると、口に含んでチュッチュッチュとリズミカルに吸いつきはじめた。

 ――チュッチュッチュ

 ぐぐっとお腹に力が入って上体が起こされていった。

(気持ちいい気持ちいい気持ちいい気持ちいい―――――――― )

 ――チュッチュッチュ、チュッチュッチュ

 小鳥や子猫をあやすような音なのに、それが優香に与える快感の凶悪さと言ったら。

 ――チュッチュッチュ、チュッチュッチュ

「ひっ!ひあっ――ひいぃっ 」

『さあ、もっと気持ちよくしてあげよう――』

 その時――ラウロの唇が優香の蕾にちゅううっと吸い付いたまま舌でひたすら左右にいたぶりだした。

「――きゃああっ!あっ!!アアッ!やぁぁああっ!! 」

 ガクガクと腰が跳ねるのに、ラウロは優香の太腿を肩に乗せて両腕でがっちりと固定して離そうとしない。

 舌でいたぶる、左右に。

 吸い上げる、その力でむき出しの蕾が全てラウロの口の中へ。

 根元を唇に食まれ、元に戻れないか弱い蕾をいたぶられて涙が止まらないほどに感じてしまう。

 それなのに、口の中で震えるソレをぬるぬるの舌でひたすらに弄ぶ事をラウロはやめてくれない。

「ああっあっあっあっ――――アァァァアアッ!! 」

 ――ひときわ大きく跳ねて、優香はイッた。

「……………… 」

「はっ……はあっ……はぁ……はぁ…… 」

 上体をひねって枕に顔を埋めながら息を整える優香を見つめながら、ラウロは彼女の中心から唇を離すと、親指で自身の口元を拭った。

 スルリと大きな手のひらで優香の腰を撫でてやると、余韻のせいかビクビクと跳ねるさまを愛おしげに見つめるラウロ。

「可愛いヒト、俺の落ち人……君を――俺に夢中にさせたい 」

 甘く響く声音だった。

 ――つぷっ

「ァアッ?!」

「……狭いな、ゆっくりほぐさないと 」

 ラウロの骨張った長い指が優香の蜜壺に優しく差し入れられ、ゆっくりと動きはじめる。

「ふっ……うあっ……ァンッ…… 」

 ――ちゅ……

「アァァッ――」

 そして優香は再び腰を浮かされて小さな蕾にラウロの唇で柔らかな口付けを贈られると、蜜壺は快楽だけを与えてくる指を歓迎して、吸い付くように従順にほぐされていった。

 ――くちゅ……

(なか……きもちぃ……ラウロの舌も唇も、指も全部きもちいい)

 ラウロは、優香に気持ちの良い事しかしない。そんな安心感が彼女の身体をほぐしていった。

 ゆるやかに、優しく甘く……花ひらいていく。

 蕾になだめるような優しいキスが贈られ続け、蜜壺はほぐされていった。

 ――どれほどそうされていただろうか、蜜壺へ差し込まれた指が三本に増えてからしばらくの事、優香はいつまでも終わりの見えない優しい快楽にとろけ、ふわふわと身体が浮いているのではないかと思っていた。

 身体を起こしたラウロがペロリと優香の胸の頂を舐め上げた時おもわず悲鳴のような声が出た。

「優香、俺の落ち人――私の魔力を君に 」

 ――――めりっ……

「んん――――?!! 」

 ラウロの杭が蜜壺へ侵入した瞬間、優香の目の前が真っ白になった。

 ――めりめりめりめり……

「アッ……ぁあ……あああっ!! 」

 強い快楽が弾け、胸から熱が頭まで登ってくるような波を感じて涙が溢れた。

 ――痛みは無い、純然たる快楽だけに犯された。

(ラウロのおち……おちんちんが中に、私の中にラウロのおちんちんが……おっきくてあつい、おちんちん、ラウロのおちんちん気持ち悦い、ラウロのおちんちん気持ち悦いラウロのおちんちん気持ち悦いラウロのおちんちん気持ち悦い――――)

「……動くよ 」

 ――ズッ!

(待って無理! 待って! 本当に待って――こんな気持ち悦いの――――)

「かっ……アッ…… 」

 ――ズッ……ズッ……ズッ……

 腰を引かれた時の、涙が出るような切ないチリっとする気持ち良さ。

 押挿れられた時の、潰されるような熱さと広がる快感。

 その、繰り返し――

「あっ!アンッ……あっ……ああっ!! 」

 ラウロが腰を振るたびに、後ろへ流された彼の艶やかな髪が乱れていく。

 優香の見開かれた瞳に、眉間を寄せた彼の色っぽい表情が映ってキュッとアソコが締まった。

 ――ズリッ……ズリッ……ズリッ……ズリッ

 彼の骨ばった手に力が入って、優香の太腿に指の腹が埋まる。

 それにすら彼の雄を感じる。

 力強い手、筋ばった腕、逞しい胸板――熱くて太いおちんちん――――

「アアッだめぇっしんじゃう、こんなのしんじゃ――ッ!? 」

 その時、まるで優香の胸を食べてしまいそうなほどにカプリと口へ頬張ったラウロが、優香の中を激しく攻め立てはじめた。

(やっおっぱい気持ち悦い――ちがう、中も……全部、全部きもちいい――)

 ズッズッズッズッ――

「あっあっあっあっ!やん、アッや、ああ?!」

 ずちゅっじゅっぢゅっ――パァンッ

(深っ?!――――)

 ――ぱっちゅぱっちゅぱっちゅぱっちゅ

 優香の脚を軽々と持ったラウロが引き寄せ腰を突き出しては引き寄せと根元まで挿れてくる。

(気持ちいい好き、ラウロすき、ラウロのちんちんすき――)

 ――ぱっちゅぱっちゅぱっちゅぱっちゅ

「あっやん、そこ……そこぉっ!あっや、アッアッアッァア――――」

 イヤラしい音が優香の耳を犯していく、蜜壺の奥、段差でもあるのだろうか?

 奥を小刻みに揺らされるたびにゴリゴリとラウロのカリ首が刺激を与えて、その振動が優香は気持ちよくてたまらない。

「わか……る? 凄くイヤラしい音だ……俺のペニスをもう覚えてしまったんだね優香は 」

 ――ぐっちゅぐっちゅぐっちゅぐっちゅ

「あっや!す、スゴイのッだめっ!すごいからぁっ――! 」

 ――ごりゅっごりゅっごりゅっごりゅっ

「ああダメッ!それだめぇ――――!ああああああっ――あぁっ、あ、あ――」

「イッてるんだね、もっと俺を味わうといい……厭らしい優香、可愛いよ……ほらっ ほらっほらっほらっ」

 ――ぱちゅっちゅくっちゅ……

「ア――ア――ア――ア―――― 」

「なんて素直で可愛らしい穴だろう、俺を離したくないのか? 大丈夫、逃げはしない……このまま君の願望を叶える事など雑作もない。俺は夢魔だからね 」

 まだ早くなったのか、心なしかさっきよりも硬くて大きなモノが優香の蜜壺を押し広げながら高速で責め立てて、ビシッと優香の浮いた腰が固まった様に動かぬまま、彼女は一体どこから出るのかというほど高い声――それも一定音で鳴き続け――

 ――ぱっちゅぱっちゅぱっちゅぱっちゅ

「ッアキャ……キュァ……かっ、は……ッ? 」

 打ち上げられた魚という例えも甘いと思える……壊れたマリオネットの糸を子どもが遊び半分で振り回したような跳ね方をして――その間も容赦なく攻め立てられた。

「おかっ……おかひくなっちゃっ……ひゃっ――ァ――ッ―――― 」

 インキュバスのラウロの半精神世界でのセックス――腹上死など起こりえないからこそ、どこまでも攻め抜く事ができるのだ。

 ――ごりゅっごりゅっごりゅっごりゅっ

「ひゃっ……カ……はっ、ヒュッ……ッ」

 優香の身体はすでに快楽そのものだった。

 自分の身体がどこからどこまでかもわからない、世界に溶けて境目のわからない中で、ラウロのペニスが激しく出挿入りする己の中心だけが自分だった。

 自分で慰めていた時ならば、もうとっくに気をやっている限界地点の向こう側に放り出されて着地点のない快楽の中、ラウロの存在だけ――

 剥き出しのクリトリスに誰かが吸い付いてコロコロと、まるで飴玉のように舐められている感覚がして優香はソコを確認すると、ラウロがあの形の良い唇にソレを含んでいるところだった。

 ――ごりゅっごりゅっごりゅっごりゅっ

 ……おかしい。

 中はひたすら責め立てられている、すごい速さでラウロの怒張が優香の蜜壺に出し挿れして奥を執拗に掘られるような感覚はそのままなのに、ラウロが豆をいたぶっている、可愛がっている、吸い上げて舐め回して吸い付いている。そしてそれは確かな快楽として存在しているのだ。

 ……胸にまでも。

 形が変わるほど激しく揉まれながら、ちゅうちゅうと吸い付かれてる。

 右も左も、ラウロに吸い付かれて舐めまわされている。

 ――ごりゅっごりゅっごりゅっごりゅっ

 耳も舐められている。

 くちゅくちゅと舌を差し込まれては、耳の形をなぞるように舐め上げられて首筋がゾワゾワしている。

 ――ごりゅっごりゅっごりゅっごりゅっ

 尻穴も先程から舐められている。あのヌメヌメとした生き物のような彼の舌が尻穴を、尻を舐め上げて浅い場所を押し入ろうとしている感覚まであった。そして暫くすると、粘液を纏わせた細くすべりの良い指を差し入れられ、出し入れされて蜜壺とは違ったぞわぞわぞわぞわするような快楽が発生してる。

(きもちい、きもちい、きもちい、きもちい――ぜんぶ、ぜんぶすごくきもちがいい―――― )

 口の中にラウロのペニスが捻じ込まれて、締まりのない口を勝手に暴れまわった。

 もちろんラウロのペニスは優香の身体を未だ激しく揺さぶっている。

 ――ごりゅっごりゅっごりゅっごりゅっ

 手を取られてラウロのソレを扱くように促された。

 優香の全てを何人ものラウロがエサに群がる獣のように貪りながら、ひたすら優香に限界以上の快楽を与え続けた。

 優香は快楽漬けの中で、涙や鼻水によだれ、多分おしっこも漏らしている。

 そんなぐちゃぐちゃの状態になっているのに、何人ものラウロがひたすら彼女の快楽だけを引き出そうと群がっていた。

 ビュクッぴゅくっと優香の身体へ次々と性が放たれて、その臭いにまた優香は興奮した。

『君の中で燻っていた無限の欲を全て俺が叶えよう――だから優香、君は私の落ち人でいて。俺のものになると誓って欲しい 』

 全身をラウロの匂いに包まれながら、優香は頭に直接響いたその言葉にくふっと嗤った。

 頰を高揚させながら、視点の定まらない瞳をラウロへむける。

「な……ゅよ……わ、たし……はぁ、らうろ……の……」

 優香の言葉を聞きながら、彼女の頭を撫でていた手がその髪へ差し込まれ――ラウロは優香へ口付けた。

「それなら俺は、他の落ち人は知ることも無いような無限の快楽を君に与える事を誓うよ 」

「や――……ちぁう、の……」

 否定の声を上げた優香にラウロは目を見開いて視線で問う。

 ――「違う 」とは?

「わたし、を……ずっろ……好きれ、いて……? 」

 ラウロは一瞬何を言われたのかわからなかった。

「わた……し、を……好きに……なっ……て 」

 ラウロは優香の言葉に困惑していた。

 インキュバスの自分に、快楽では無く好意を……心を求めると、そう言っているのか……?

 もののついでのように愛を囁かれ、求められる事はあった。

 自慢では無いがラウロは魔人領幹部の席に名を連ねる程には、種族の中でも能力が高い。

 インキュバスは夢と言う精神世界を渡り歩き支配する能力を有している。

 それは対霊的攻撃兵器としての側面を併せ持つのだ。特にアンデッド系の種族や魔物と相性が良く、諜報という面でも役に立つ。

 要は夢魔と言う種族は、魔王にとって使い勝手が良いのだ。

 中でも『必ず心から求める欲』を暴いて、溺れるほどの快楽を与えることができる。

それがラウロというインキュバスだ。

 そんな魔王軍幹部というラウロの肩書に惹かれて近寄る女もいるにはいたが、ラウロの淫夢を一度見せれば…………メス奴隷のように良く働く子飼いへと変貌した。

 ラウロは別に優香をメス奴隷にしたかったわけでは無い――そもそもラウロにそんな特別性癖は無い――しかし、一度淫夢を見せて交われば先程までと同じ関係とはいかないのが夢魔であるラウロの宿命だった。

 そう、距離感は確かに無くなった。

 しかし、優香はラウロの前に跪くような事は無く――彼を真っ直ぐに見つめたままだった。