神殿の湯殿

 神殿の中でも一定の地位以上の者たちが住まう部屋には、みそぎ用の簡易湯殿が完備されている。

 浄化魔法の応用である洗浄魔法があるこの世界では、湯殿とは街に領主が建てるもので、利用するのは魔力の少ない平民達だ。

 一定数以上の魔力を持っているのか普通とされる貴族の家にある湯殿に関しては宗教的な意味合いが強い。

 そんなある種、神聖な場所なのだが……そんな事はお構いなし、な落ち人がレイア神殿の神官長ユリウスのツガイ『妙子 』である。

「あ……妙子…… 」

「ん? なぁに、ユリ 」

 湯殿の一角、シャワーのように天井から柔らかく降り注ぐ聖水の下で壁に手をつき何やら考え事をしていたユリウスの背後から腕を回し、その無防備な胸の飾りを弄ぶのは山口妙子――この世界に幸福をもたらすとされる、落ち人のひとりである。

 柔らかく降り注ぐ聖水に打たれて『濡れ美人 』となったユリウスに辛抱たまらず背後から襲い掛かったかたちだ。

 ユリウスはというと、ついていた両手をどうしていいかわからずそのままに、妙子の肌――その胸の頂の硬く立ち上がったソレを背中に感じながら、自分にある左右のソレを指先でくりくりと弄ばれて身悶えている。

 光の加減で七色にも輝く美しい銀髪は、濡れて肌に張り付いている。

 前髪から断続的に滴が落ちて、眉根を寄せる美貌の麗人の頰に伝っていく。

 瑞々しい白い肌、その全身をくまなく伝い流れるぬるま湯の聖水に、妙子は興奮していた。

(ユリウスを伝った後の聖水全部飲みたいんだけど? )

 戦える神官様の胸筋を揉みしだきながら、伝い落ちる水滴をジッと睨むようにして見つめる妙子。

 すると、視線の先で揺れるユリウスのユリウス君にも水滴が伝っている事に気付いた。

「……ユリウス、そのままね? 」

「ッ……え……? 」

 ついでのように胸の頂をピンッと弾いてから、ユリウスの前に回ってしゃがみ込んだ。

「んアッ?! 」

 ユリウスのユリウスくん、その先っちょからポトポトと伝い落ちていた聖水を、舌で受け止めるように舐め始めた妙子。

 ユリウスは堪らず身悶えた。

 そのままと言われたが為に、壁に両手を付いたまま。

 下からの眺めは格別だった。

 ユリウスを伝ってきた水滴、中心から外れて内股をペロリと舐め上げて、その聖水を受け止める。ペロリペロリと繰り返して喉を潤しながら、妙子はジッと見上げ見つめていた。

 頰に胸に張り付き、水の伝い落ちる髪の毛が最高にユリウスのエロさを演出している様を、身悶える神官長の色気を堪能していた。

(あ、乳首も勃ってきた? )

 苦しげに眉間を寄せて、熱い息を苦しげに吐きながら妙子を見下ろすユリウスと目を合わせたまま、じっくりねっとり観察しながら左右の腿を交互に舐め上げた。

 フルリ、と勃ち上がったアレが揺れて落ちた水滴が妙子の頰を伝う。

「ふふっ 」

「や……たえ、こ……も…… 」

 ユリウスの瞳が潤んできたのを見とめて、妙子は思わず両手で尻を揉んだ。

「っ…… 」

 ぐっと目を閉じて何かを耐えるようなユ美貌の麗人は、妙子の口が大きく開いた事に気付かない。

 立ち上がりはじめたソレを妙子はパクリと咥えた。

「アァッ!? 」

 思わず、と言った具合に身体を跳ねさせたユリウスは目を見開き、ガクガクと膝を震わせた。

 そんな間にもシャワーはユリウスの身体を打つ、なんだかその刺激にもビクビクと感じはじめてしまったらしいユリウスを妙子は眼福とばかり、目を細めて見つめていた。

 そんな間も彼女の舌は、ユリウスを嬲り続ける。口の中で飴を舐め転がすかのようにカリ首周りをクルクルと、先の割れ目をほじるようにチロチロと、根本から吸い上げるように上顎と舌で包み込んだソレをゆっくりと出し入れしはじめて。

 ツプリと尻穴に指を差し込めば、キュッと妙子の指を捕まえてくるソレが可愛すぎて、妙子は思わず喉の奥で嗤った。

(でもなぁ…… )

 圧倒的人手不足だ。妙子は思った。

 こうしてる間にもユリウスにキスしたいし、乳首も舐めまわしたりいじり倒したりしたい。

 この美しい生き物を全身くまなく愛したい。

「アッ……アッ……あ……たえ、妙子……ぉ…… 」

 ユリウス自身から口を離して目の前で揺れる様を堪能しながら、尻を揉みしだき、軽く尻穴に突っ込んでいた指を奥に進めて中をかき回すと、ユリウスが感じた拍子に妙子の頰を欲棒が叩いてきた。

「アッ……?! 」

 自分のソレが妙子の頰を張った様を直視してしまったユリウスは、どうやら刺激が強すぎたのか、妙子に嫌がられるとでも思ったのか、泣きそうな顔で息を飲んでいた。

 しかし、妙子の頰を張ったソレは正直なもので――先ほどよりも力強く首をもたげはじてる。

 怯えながらも、その身体の正直さがひどく可愛らしいと微笑んだ妙子は、その先端に「チュッ 」と短いキスをした。

「んあっ?!アァッ―― 」

 途端、ユリウスの腰が痙攣しはじめた。

 跳ね回る棒は水滴を飛び散らせて歓喜に踊り――やがて白濁を撒き散らした。

「あ、顔射……? 」

 顔についたソレを指ですくってペロリと舐めた妙子が、悪戯を思いついたような悪い表情でユリウスをみた。

「しかえしっ! えいっ 」

「ふあっ?! アアッ―― 」

 ――くちゅくちゅくちゅくちゅ

「アァッ! た、……たぇ、こぉ……ぁ――アッアッアッアッ―― 」

 フィニッシュをむかえたにも関わらず、ユリウスの艶やかな声が響いているのは妙子が尻穴を弄るのをやめないからである。

「アァッたえこっやめ―― 」

「どうして? きもちいでしょ? 」

 直ぐに復活しはじめたユリウスのペニスの先っちょを顔射されてぬるぬるになった頰に擦り付ける妙子。

「んあ?! 」

 パクリと咥えてユリウスのソレを舐め転がし、しゃぶり、ごくんと飲み込むと妙子の口からソレが解放される頃にはフィニッシュをむかえる前と変わず張り詰めた姿をあらわした。

 にんまり妙子が笑った時、耐えきれなくなったユリウスが膝を折って湯殿に倒れ込んだ。

「そのままって言ったのに、仕方ないなぁユリは 」

 そう言って床に倒れ込んだユリウスを、背中から覆いかぶさる形で四つん這いになった妙子が、何かを口の中で呟いた次の瞬間――ユリウスをとてつもない圧迫感が襲った。

 正確に言うならば、ユリウスの、不浄の穴が押し広げられ、何か熱い棒のような太い杭に刺されている。

「ア――……カ、は……ッは……アッ?! 」

「ッ……すご……ユリの中、きもち…… 」

 ケツ穴に洗浄魔法が使えるなど、性的魔法が進んでいるこのアントワールなら、探せばあるだろうと探しまくって妙子が見つけたなんか難しい名前の付いていた魔法――妙子式で言う『ペニバン魔法 』である。

 魔法で好きな形のモノを生やして、クリの神経の感覚を肥大化させて擬似的に定着させることで、女性であっても挿入で感じられると言う変態魔法である。

 はじめてやった時は事故に近い状態になったが、何度かやっていくうちにユリウスの好みもわかってきて、今の妙子のイチモツは完全にユリウス好みの仕上がりである。

 ユリウスは――大きめがお好みのようだった。

「たえ……たえこっ…… 」

 立派なイチモツに限界まで開かれたソコが苦しくて、震えるような声を出したユリウスだったが、当の妙子はさっぱり気にした様子も無く。

「うんうん、今うごいてあげるから――ね! 」

「ああアッ?! 」

 こちらも最初は事故に近い状態となった腰使いだが、そこは執念と愛である。

 執念の変態は上達も早いのだ。

 美貌の麗人が目に涙を浮かべながら自分の下で悦がる、騎乗位とはまた違った悦びがあった。

 後ろから背中を舐めまわして突きながら、ユリウスの欲棒を手でしごいで可愛がり、両の乳首に軽く爪を立ててカリカリと刺激した。

 変態魔法一つで、妙子が不満に思っていた人手不足が一つ解消された。

 何よりどこもかしこもきもち良くなってしまってパニックになりながら悦がるユリウスが美し可愛すぎた。

 磨き抜かれた浴室の床越しに、感じまくる美しい恋人を堪能しながら腰を打ち付けまくる。

「アッ……ああっ―― 」

「……きもち、いい?ユリウス 」

「きも……きもち……ぃ――アァッたえこっ 」

  「ああ、可愛いユリウス。私のおちんちんきもちい? 」

「き、もちぃ……たえこのちんちん、きもち……ああんっ?! 」

「あ、やば…… 」

 美人の「おちんちん発言 」の破壊力に、思わず加減を誤ってイチモツを大きくし過ぎた妙子だったが、硬直しながらプルプル震えるユリウスに思わず見入る。

 ユリウスの中心、その先端からは先走りのようなものが止めどなくダラダラと流れ続けて、見開かれた美しい瞳と濡れたような唇が震えて――妙子はその美しさに思わず息を飲んだ。

 そして奥底に灯る、仄暗い感情。

 ――めちゃくちゃにしてしまいたい。

 この、美しい生き物を、自分だけのものなのだと、証明する為に。

 自分の手で、ぐちゃぐちゃにして、自分だけに――彼の唯一になる為に。

「アァッたえっおっき過――アァァァアア!! 」

 妙子は自分に身体強化を施すと、後ろから突いていたユリウスの脚をグイッと引っ張り仰向けにさせて正常位の姿勢をとった。

 ――ゴクリ……

 思わず生唾を飲み込むほどに、美貌の麗人は淫猥な姿に成り果てていた。

 濡れたような唇から涎を垂らして、頬を蒸気させながらうわごとのように妙子の名を呟いている。

 思いの外筋肉のついた胸のその薄い桃色の卑猥さといったら――

「ユリウス、自分でおちんちん……扱けるよね? 」

「え……ッ――――」

 ――――――ズンッ

 浴室に、ユリウスの悲鳴のような喘ぎ声が響きはじめた。

「ッアアァ! だめっおしり、おかしくな――アァァァアア! はやいっは、激しィ――ア――ッ!!」

 今は妙子の命令で、脚を大きく開かされ正常位で突かれながら、涙目で自分のおちんちんを必死で扱いている美貌の麗人。

「ああ、可愛いユリウス……可愛いね、きもちぃの? 自分でおちんちんしてきもちぃの? 」

「アッ――きもっきもち、ああん!?」

 あまりに可愛いので鬼頭を手のひらでくりくりと撫で回した。

「アァッ――でちゃ……でちゃうぅッ 」

「まだ、だぁめ 」

 妙子はそう言うと、ユリウスの尻をグイッと浮かせて床から垂直に突き入れ出した。

 そして、ユリウスの口に近くなったそれをその濡れた唇へ誘導する。

「はいユリ、おっぱい吸っていいよ? 」

「ッ ―――― 」

 妙子のその言葉に、堪らないと言ったようにそして泣きそうな顔をして見せたユリウスが、必死に首を伸ばして妙子のささやかなそれに吸い付いた。

「ああんっ! 」

「んーっんん――ちゅぱっ……ちゅく……ちゅうちゅうぅぅッ 」

 妙子のソレにすがるように、背中に必死で腕を回した。

 溺れるほどに気持ち良くてもうやめて欲しいのに、吸い付くのをやめたくなくて妙子の腰に両脚を絡めて必死にすがるユリウスに――

 ――だいしゅきほーるど、いただきましたッ !!

 妙子も猛然と腰を振っていく。

(きもちぃきもちぃきもちぃきもちぃ――!! )

「んああッ !! わ……たしも、イク―― 」

 妙子は快楽に任せて激しく腰を振りながら、ユリウスの広い胸に抱きついた。

 後ろを激しく突かれながら、妙子のお腹にペニスをコスられたユリウスは、あまりの気持ちよさにどんどんと四肢を脱力させていって――

 しまいにはとうとう抱き返すこともできず、両手を赤子のように耳の横で万歳させながら涙を流してよがった。

「ッ――――ッ―― 」

「んぁっ―― 」

 妙子のお臍に熱い飛沫が広がった。

「ふー…… 」

 ひと山越えたとばかり、どっこいしょとユリウスの胸から起き上がった妙子は、彼の表情をみて満足げな笑みを浮かべた。

「ッ…………ぁ……ふ…… 」

 断続的にピクピクと震えながら、瞳の光を失った神官長が快感に浸っている。

 長い髪が頰に張り付き、あとは湯殿の床に濡れて広がっている。

 小さく震える薄い桜色の乳首がとても可愛くて、妙子は思わず吸い付いた。

「アアッ―― 」

「可愛い……可愛いユリ……余韻の間、ずっとこうしててあげるね 」

「アアッんん!! アッ―――― 」

 余韻どころではなくなって、打ち上げられた魚のようにビクンビクンと震える身体を無視して飴玉を転がすように乳首を可愛がる。

 空いている方はクリクリと摘んでやった。

「可愛い、可愛いねユリ…… 」

「アッ――――ッ―― 」

 この神殿の神官長の悲鳴にも似たよがり声、誰にも聞こえない、届かない異空間の魔法の中で、ただ狂いそうな快楽だけを恋人から与えられ続けた。

 ――――――

 ――――

 精液に、涎に、鼻水に、おしっこに――この国で誰よりも美しい神官長が浴室の中であられもない姿をベトベトに汚して横たわっている。

 美しい顔を跨いでその落ち人がしゃがみ込む。

「ね、ユリ――私の、舐めたい? 」

「――はい…… 」

 うっとりとした顔で、美貌の神官長が美しい唇を開いた。

 自分は、指一本動かせなくなっても、恋人を悦ばせる事ができる――何があってもこの先、死にさえしなければ自分はこの女性に捨てられる事は無いのだと。

 この一時は、確かな自信をもっていられる。

 自分の舌によがり狂う恋人の嬌声を聴きながら、ユリウスのソレは再び力を持ちはじめた。