28.狼獣人さんリベンジを誓う※

「副ギルド長……イストール氏の報告書がこちらです」

 希美子達は再び噴水広場へ来ていた。

 そろそろ夕飯時とあり、広場には沢山の屋台が並び始めている。

 中央の噴水の周りにはテーブルセットが置かれ始め、希美子とジークヴァルト、妙子とユリウスはまだ人がまばらなその場所に腰をかけ情報共有の為の時間を設けていた。

 ジークヴァルトがユリウスに手渡された書類を、希美子にも見えるようにさり気なく振ったので希美子もその書類を覗き込む。

「……なるほどな」

「ギルド長の話していた通り、見事に獣人国を避けるようにして魔物の広がりが見られます。コレは明らかに人為的な物です」

 希美子が覗き込んだ書類には地図が書かれており、その上に赤いマークがぽつぽつとあったのだが、ある国境を境に全く赤い斑点が見られない場所があった。

 話の流れから言うと、そこが獣人国なのだろう。

「スタンピードの人為的な操作、人族の仕業とは考え難い。湧いてるのが魔物だとしたら、魔人……」

「しかし、魔王の求心力が衰えていると言う話は聞きません」

 え……と希美子は思う。

(こ、この世界って魔王がいたの……?え、魔王って言えば世界を征服しようと目論んでる所を勇者に倒されるって言うアレ?!)

 そんな希美子の顔色を読んでか、妙子がその思考にストップをかける。

「あ、違うんだってよ希美子ちゃん。なんか魔王が人族の領地に手を出そうとすると決まって勇者が現れるから、随分前から魔王は魔人の中の王様ってだけのカテゴリーで別に見境なく襲ってきたりしないらしいよ?」

「魔王賢いね?!」

(まあ、実際そう言う流れがあったんならどっかで気付くよね……?)

「しかも、魔人領拡大をやめた途端にあっちにも落ち人が来るようになったんだって!それまで土地は痩せてるし災害凄いし大変だったみたいなんだけど、今や領土拡大する必要性も無くなったらしいよ?」

 そこまで話してから妙子は身を乗り出して、希美子に小声で言った。

「って言うかさ、そりゃあ居るよね、魔王萌え吸血鬼萌えインキュバス萌え……魔人領……夢広がるわぁ……ッ?!」

「?!!?!」

 一瞬、希美子達は凄まじい寒気を感じて辺りを見渡した。

(え、何?!え……何今の?!)

「……おい、お前。妙子とか言ったか?」

 書類に一通り目を通したのか、バサリとテーブルに置くとジークヴァルトがおもむろに切り出した。

「え、え?あ、うん。妙子ちゃんですよ?」

「……そろそろ腹が減る時間だろう、コレで好きなモン買ってこい」

「え?こんなにいいの?!やったね希美子ちゃん一緒に――」

「コイツには話がある、ユリウスと行ってこい」

 言いかけた妙子にジークヴァルトがピシャリと言うと、先に席を立ったユリウスが「行きますよ、妙子」と有無を言わさぬ美人スマイルで言った。

 妙子はクエスチョンマークを浮かべながらも、言われた通りユリウスに腰を抱かれて屋台の方へ歩いて行った。

 クエスチョンマークを浮かべたいのは希美子も同じである。

「……ジーク?話ってな――」

「行くぞ」

 言い終わる前に、希美子の腕を握ってジークヴァルトは彼女を立たせると心なしかいつもよりも早足で迷いなく何処かへ向かい出した。

「え、ジーク?!え……どうしたの?!」

 ねえジーク、と何度か希美子は呼びかけるも、目的の場所までジークヴァルトが口を開く事は無かった。

 ――――――

 ――――

「アッ……ま、待ってジーク、人が……見られちゃうっ」

 噴水広場から少し離れた薄暗い裏路地に希美子は連れ込まれていた。

 ジークヴァルトは後ろから希美子の両手を壁に押さえつけ、空いた手で手早くブラウスのボタンを中心の三つだけ外すと、その間から胴衣の中にまでその筋張った大きな手を無理矢理押し入れて激しくまさぐっていた。

 いつになく性急なジークヴァルトの様子に希美子は興奮を煽られていく。

「ッア!」

 後ろから頸を舐められて思わず仰け反ると、今度は耳を食まれ、ピチャピチャと音を出して舐められた。

 思わず彼の舌の感触に集中してしまった希美子に、ジークヴァルトは鼻を鳴らして嗤うとスカートをたくし上げ、布を掻き分けるようにして下着の中へ手を突っ込んだ。

「いやっダメ、ジーク!――ああんっ」

「駄目と言う割に随分と濡れているもんだな?」

 熱を持ってぷくりと膨れた肉をグリグリと捏ね回すと、いっそうヌルヌルとした愛液を溢れさせる希美子。

 布越しにお尻に感じるジークヴァルトの熱い熱にまで感じてしまって希美子の視界は滲んできた。

 大人しくなった希美子の様子を見て、押さえていた手を今度は先ほどとは逆の胸目掛けてブラウスへと侵入させた。乳輪ごと乳首をふにっと摘まれてくにくにされると希美子は声が我慢出来ない。

「あっ……アァ!だめっ……きもち、きもちよくなっちゃうのっ……駄目なのっ――やぁっ」

 つぷり、ゴツゴツしたジークヴァルトの指が挿った。

 そして、耳元で囁く低い声――

「なっちゃうだと?既に相当気持ち悦いんだろうが」

「ッ……そ、そうなの……ァ……だめっ――ああっ指増っ……掻き回しちゃだめぇ――!」

 耳の中を首筋を容赦なくヌメヌメとしたジークヴァルトの舌が這い回り、胸を揉みしだかれ、蜜壺を掻き回されて希美子はただ善がる事しか出来ないでいる。

「俺は腹が立っている、あんな事を言ったお前にも、言わせたおっさんにも……それから――」

「きゃあっ?!」

 ジークヴァルトは希美子を後ろから掬い上げるように膝を持ち上げると、後ろからその中心を貫いた。

「――――ァアッ!!」

 首を反らせた希美子は背中にジークヴァルトの胸を感じて、それに身をまかせるように身体を預けると、ジークヴァルトの首に希美子の首がピタリと着いた。

 ――ぞくり

 ジークヴァルトと繋がったそこから、頭のてっぺんまで何かが駆け抜けた。

「……すげえ悦くしてやる。覚悟しろ」

 そう言って、ジークヴァルトは律動をはじめる。

「あっ……あ、ア……ッんあっ!」

 ベッドの上で愛し合う時とは違う、その限られた一箇所の触れ合いが、中心の熱を高めて行くから――希美子は甘えるように擦り寄ると、ジークヴァルトの黒髪が希美子の鼻先に触れて、普段感じることの無い熱を帯びた彼の香りを強く感じた。

(良い――匂いがする……)

 希美子はそのままジークヴァルトの髪の毛に顔を埋めた。

 希美子はジークヴァルトという『強い雄』に、ただ身体をもたれさせているだけだ。

 それだけなのに――

 どんどんジークヴァルトの匂いは強くなっていくし、いつもと違う場所に当たる、ジークヴァルトの楔が希美子に新しい快感を教え込んで行く。

 あのゴリゴリと引っかかる感じはない、ただ、擦られる度にジンジンジンジンと希美子の恥ずかしい場所が痺れていく。

 暴かれていく。

「っま……まってジーク、なんか……へんっ」

 ジークヴァルトの耳元で絞り出すような声で希美子が言うとジークヴァルトが「何がだ?」とだけ聞いてくるから。

「ゃ……し……こ、おしっこでちゃうっ!」

「この格好だ、問題無いだろう?」

 いや、確かに子どもがおしっこさせられるような格好ではあるのだけれど。

 先程からジークヴァルトは同じ場所を、希美子がおしっこをしたくなってしまうその場所をずっと同じリズムで揺さぶり擦っている。

「いやっ……ヤ、なの……」

 ズッ、ズッ、ズッ、ズッ……

「……何でだ?」

 ズッ、ズッ、ズッ、ズッ ……

「だっ……て!……だめっ、ヤぁ……」

 ズッ、ズッ、ズッ、ズッ……

「何が嫌なんだ?」

 ズッズッズッズッ……

「や、はやっ……早いのだめ!」

 ズッズッズッズッ……

「どうして」

 ズッズッズッズッズッズッズッズッ…――

「ジークに、見られちゃうっジークヴァルトに、おしっこするところ見られちゃう……からあっ――ぁあ――――」

 ぷしゅっ……

「嫌ァ――――――ッ」

 プシャアァァア――と、勢いよく弧を描いて希美子の中心から目の前の壁に向かって温かな液体が放たれた。

「や……いや……止まらない、ヤダ……恥ずかしい……見ないで……とまんないぃ……」

 まだ止まらない。

「何でだ?俺は見るぞ、見たいからな?」

 黄色い液体が勢いよく出続ける様を、ずっと覗き込まれている。

「な……んで、なんでぇ……?とまんな……やだぁ……や、だぁ……」

 恥ずかしくて仕方がないのに、止める事ができない。

 「いい格好だな、希美子。お前が俺のを咥えたまま漏らして、それを俺に見られてる、どんな気分だ?」

 やがて大量のそれを出し切り、ちょろちょろと、勢いを無くすそれまでジークヴァルトはジッと凝視していた。

「お前は俺に恥ずかしい所を見られるのが好きだろう?」

 ちょろ……ちょろ……と、最後の一滴まで全てを。

「その証拠に、さっきっからギュウギュウに締め付けやがる」

「やだ……うそ」

 ――そう、嘘だ。

 希美子は嫌だと言っている間、ずっと気持ちよくて仕方がなかったのだから。

「いっぱい出したなぁ?希美子」

「やだ……」

 恥ずかしい、気持ちがいい――

「俺の前で、ガキみてぇにションベン漏らして」

「じ……く、の前……で」

 恥ずかしい、気持ちがイイ、恥ずかしい、気持ちがイイ、恥ずかしい、気持ちがイイ――

「気持ちが良かったんだろう?俺に突っ込まれたまま、ションベン出して。それを俺に見せて」

 恥ずかしい、気持ちがイイ、恥ずかしい、気持ちがイイ――――

「どんな気分だっ……ッた!」

「ッ!!」

 ズンッと突かれて、ぴゅっと少し出た。

 希美子はそれがあまりにも恥ずかしくて……

「ほら、また、出た!」

 ぴゅっ、ぴゅっ、ぴゅっ……恥ずかしくて

「も……やっ、もうやあ……」

 ぴゅっ、ぴゅっ、ぴゅっ……恥ずかしすぎて

 ジークヴァルトはカクリと首をもたれさせた希美子の喉をべろりと舐めると、希美子の耳元で悪魔のように囁いた。

「――どうだ?俺に見せつけた感想は」

 頭がおかしくなりそうな程に――

「………………き……もち、い……」

 そう、ゾクゾクして止まらないのだ。

 ずっと、ずっと気持ちがよかった。

「好きだろう?……恥ずかしい事が」

 そう、希美子は――ジークヴァルトに恥ずかしくされるのが

「……すき」

 そう、言葉にしてしまった瞬間にゾクゾクゾク――と全身が粟立つ。

「素直に言えたご褒美だ――お前の一番好きな所にくれてやる」

 ジークヴァルトはそう言うと、くるりと希美子の前後を回転させた。

「っやあ?!今のッ……」

「今のも感じたか、全く俺のツガイは――仕方がねぇ、な!」

「あゔ?!!」

 ジークヴァルトの正面に抱きつく形となった希美子の最奥に、あの場所に、ジークヴァルトが深々と突き刺さる。

 必然、希美子は抱きつく形となり――

「ほら、胸を出せ。しゃぶってやる……締めんな、嬉しいのはわかったから」

「うっ……ん、んっ……んっ……」

 希美子は首をジークヴァルトの肩に預けながら自分でブラウスのボタンを外し始めたが、その間もジークヴァルトが小刻みに気持ちよくしてくるので全て外すのに時間がかかった。

 それでも、ジークヴァルトに言われるよりも先に胸を自分で引っ張り出す。

 胴衣に乗せられたたわわを、ジークヴァルトの肩に手を回して、その唇にピンク色の尖を押し付けた。

 希美子を流し見たジークヴァルトが――嗤った。

 ――そして始まる律動。

 持ち上げた希美子を、上げては落とすように自分の腕の中で好きに踊らせるジークヴァルト。その度に希美子の胸もジークヴァルトの気を引くように跳ねて、誘ってくる。

 右の胸を舐めしゃぶれば、左胸は一つ寂しげに跳ね回る。

「きもち……っジーク、好き、コレ好き!」

「そうかよ」

「奥、ゴリってなりゅのっ……ジークが、おっぱい吸うのっ……きもちぃいっ、あっちくびちゅってするの、すきぃ――」

「ジークのおちんちん、すごいっ……おっきくて、きもちぃのっはずかしいのに……ジークのおちんちんすきなの、はずかしいのに――――」

「じぃくっもっと、すってぇ……ちゅうちゅうって……あかちゃんみたいに、してぇ!」

「きもちぃの、すき……はずかしぃの、すきぃ――」

「はずかしい、いっちゃうっ!じぃくにっあかちゃんみたいに、ちゅうちゅうされながらっ!じぃくのおちんちんズンズンされていっちゃう!じぃくのおっきいちんちんでいっちゃう!おっぱいちちゅうちゅうしてるじぃくのおちんちんでいっちゃううううっ――――アア――――」

 ――――――

 ――――

 ――

 期せずして、『恥ずかしい事が気持ち良くて好き』な希美子に、それを自覚させたジークヴァルトは、逆に希美子の言葉責めを受ける羽目になったのだった。

(…………そこまでしろとは、言ってねぇ)

 ちょっと悦かった事に逆に落ち込んだジークヴァルトだった。

(……くそ、覚えてろ)

 腕の中で気を失った希美子に、ジークヴァルトは人知れずリベンジを誓った。