食後、希美子が食器を洗おうとしたところで、ジークヴァルトが下げた先からお皿に洗浄魔法をかけたので、残り物は無い。
全てジークヴァルトが平らげてくれた。
希美子が食後のお茶をと、ジークヴァルトにお湯を作ってもらい用意していると、ジークヴァルトはおもむろに果物を冷蔵庫から取り出して剥いてくれた。
「あ、桃だ……おいしいね!」
皮が真っ赤な、大きなプラムみたいな果物だったが味は希美子もよく知っている淡いピンク色の桃と同じだった。
しかも、とても美味しい桃の味だった。
甘みと少しの酸味、そして口の中に広がる華やかな香り。タルトやアイスティーに入れても最高に美味しいかもしれないと希美子は思う。
再び幸せそうな顔になった希美子を尻目にジークヴァルトは席を立ち、風呂場の方へ歩いて行ったので気になった希美子は付いて行った。親鳥に付いて回る雛のようである。
「……あ、お湯張り?!入ってもいい?」
「……そうだな、入るか」
「へ?」
手前の脱衣所に下がって上着を脱ぎ出したジークヴァルトに希美子は面食らった。
「え……え?!」
「何してる、入るなら早くしろ」
「え、いや……え?!」
完全にナチュラルに一緒に入る流れを作るジークヴァルトに付いて行けず、希美子はプチパニック状態である。
そんな希美子の様子に気付いたジークヴァルトは固まる希美子に手を伸ばすと、胴衣の紐をスルッと緩め始めた。
「俺がいないと湯は冷める一方だし、シャワーも使えないだろうが」
サラリと自分を給湯器扱いするジークヴァルトだったが、希美子はソコにツッコミを入れる余裕は無かった。
希美子が固まっている間にもジークヴァルトは胴衣の紐を緩め終え、ブラウスを残してパサリとスカートごと胴衣が床に落ちた。
「え?!ひゃっ?!うわあっ?!」
我に返った希美子がガバリとしゃがんで脚を隠そうとするが、ジークヴァルトは眉間の皺を数割増し深くして低い声で言った。
「おい、今更何を恥ずかしがってやがる」
「いやいやいやいや?!アレの最中と今じゃ全然違うよ?!」
真っ赤になって若干涙目でジークヴァルトを見上げながら言う希美子に、ジークヴァルトは「ほう?」と無表情のまま言うと、次の瞬間、希美子の腕を強引に引っ張り起こして――キスをした。
「――?!」
食らいつくようなキスに、希美子はとても驚いたが、直ぐに舌を絡め取られジークヴァルトの与える快楽にとらわれる。
強引なキスは、ジークヴァルトの唾液を希美子に注ぎ込むような荒さで、希美子は喉を鳴らすたび、媚薬でも飲まされているかと思う程に感じてしまう。
「ふあっ……ッ」
やっと解放された頃には希美子は腰砕けの状態になっていた。
ジークヴァルトが支えることでやっと立てているような状態である。
「……に……?なに……?」
ぼぅっとしながらも、希美子の頭の中はクエスチョンマークでいっぱいだ。
そんな希美子の耳に唇を寄せてジークヴァルトがあの低く腰に響くような声で囁いた。
「あ?これなら恥ずかしく無いだろうが?」
いや、そうじゃない。いや、そうなんだけど……と希美子は思う。
情事の時と今は違うから恥ずかしいイコール情事に突入すれば恥ずかしくは無い。では無い。
いつの間にかブラウスのボタンは全て外されて剥ぎ取られ、下着も見当たらない。ジークヴァルトも……希美子は下半身には積極的に目を向けられなかったが、自身の足に当たる柔らかくて温かな感覚は、アレだと思われる。
ジークヴァルトは希美子の腕を自分の首に回させて、抱きつかせるようにすると、そのまま抱き上げ浴室に入った。
(は、はだか!!じ、ジークヴァルトと裸で?!――っていうかすっごい筋肉!凄い!!)
希美子のパニックは収まる気配も無いまま、シャアァァア――と言う音と、温かい蒸気を背中に感じた。
「お前が水を浴びてぇってんなら止めねえが、どう考えてもそんな貧弱な体力じゃ風邪を引くだろうが」
ジークヴァルトが片手で希美子を支えながらシャワーの温度調節をしている。
水を出すだけなら、レバーを回せばでてくるが、その水をお湯にしたいのならシャワー横にあるアーティファクトの魔石に魔力を流さなければならない。
大体の温度設定をしてから、必要分の魔力を注ぎ、魔石の魔力残量が少なくなったら足すというイメージだ。
「今のお前の魔力回路の不安定さで魔力を使うのは自殺行為だ。くれぐれも自分でやろうなんて思うなよ?」
温度調節が終わると、ジークヴァルトはまず自分の肩をシャワーへ向けて確認した後、希美子を抱いたままシャワーを浴び始めた。
ジークヴァルトの肩から流れたお湯が、希美子がジークヴァルトの胸へ押し付けているおっぱいの谷間へ水が溜まり、溢れては下へながれ……端的に言って、なかなかエロい状況だ。
チラリと希美子が顔を上げると、髪も狼の耳も濡らしたジークヴァルトと目が合って心臓が飛び出す程にドキドキした。
「……おい」
そっと目を逸らした希美子を咎めるようにジークヴァルトが希美子を呼ぶので、恥ずかしがったが視線で「なに?」と伝えると――
「キスしろ」
とんでもないことを言われた。
「な……え、は……?!」
「早くしろ」
裸同士のままジークヴァルトの腕に抱き上げられて、ただでさえどうしていいのかわからないのに、と希美子は思う。
思う、が――
「……うん」
ジッと見つめる彼の目に逆らえる筈もなく、希美子はおずおずとジークヴァルトのそれに唇を寄せて――
「ッ?!」
唇を重ねた途端、希美子のお尻を支えていたジークヴァルトの指が、にゅるりとアソコに侵入した。
「んっン――!!」
しかも後頭部まで固定されている。
(ッ何これ何これ何これ何これ――?!!)
口の中をジークヴァルトの舌が激しく蹂躙しながら、下は指が一本アソコをかき回している。力強く抱きしめられた状態で、どうしてここまで好きにされてしまうのか希美子は分からなかったが、何かとてつもなく興奮してきてしまう。
断続的に当たるシャワーの心地よい刺激も相まって、だだでさえボウっとしてきた頭が、蒸気のあたたかさも相まって、現実と夢の境目が分からなくなるような、そんな感覚に捕らわれた。
「ンッ――んっ!」
時折、下の指がツルリと滑って希美子の好きな豆を掠める。
「うむっんンッ!――ぷはっ、ハアッ……はぁ……」
ジークヴァルトに唇を解放されて、彼のたくましい胸に額を預けて呼吸を整えようとする希美子。
その様子を見ながら、しばらく下を弄んでいたジークヴァルトだったが、シャワーのレバーを戻すと希美子を抱いたままバスタブへ向かった。
ザバリと大きなバスタブへ肩まで浸かる。
希美子はジークヴァルトを背に彼の脚の間に座らされたのだが……
(狼さんの……尻尾の……上?!)
そう、ジークヴァルトの尻尾が、彼女の股間の真下に来ている。
ちなみにジークヴァルトのジークヴァルトは希美子の背中でゆらゆらとして、たゆたいながら希美子にその存在をアピールしている。
……恥ずかしさが増している。と、希美子は思う。
せっかく、この世界へ来て初めての入浴だったが、落ち着けない事この上ない。
希美子が尻に敷いている尻尾も、ゆらゆら揺れていて、腰を浮かそうにも座ろうにもと言った感じだ。
後ろに座ったジークヴァルトが耳元で――
「ん?どうした、座らねえのか?」
と、わざとらしく聞いてくるのが腹立たしい。
どっちつかず、中途半端に浮かした希美子の下で、ジークヴァルトの尻尾がゆらゆらと彼女のアソコに悪戯してくる。
希美子の蜜壺を、窄まりを、すでにぷくりと主張し始めた豆すらも、柔らかな毛先が忙しなく行ったり来たりして、希美子を堪らない気持ちにさせた。
「おい、希美子。俺の自慢の尻尾で何してくれてる?」
「ッや……いやぁ――だって……」
ゆらゆらと腰を揺らして、ジークヴァルトの尻尾でマスターベーションをはじめた希美子を誰が責められようか。責めてるが、被害者が。色んな意味で。
希美子の下で器用に尻尾を蠢かしていた当の持ち主は、嘲笑うように喉をならすと既に快楽に思考を支配されつつあるツガイを誘惑する。
「もう少し前にいけば、もっと気持ちいいかもな?」
(……え、あ……も、もっと、前……?)
ゆらゆらと、催眠術にかかったかのように、希美子がジークヴァルトから少し離れて、バスタブの逆端に手を付くと、ジークヴァルトが「もっと尻を突き出せ」と言うのでいわれるままに突き出し、水面から少し浮いた場所に腰を上げ、秘部が晒された。その時――
「――――っ?!!」
パシャンっと音を立てて尻尾の先が、希美子の秘部をこちょこちょと悪戯しはじめる。
「あっ……やぁ……あっ……あ――ッ」
「嫌じゃねぇだろう?」
濡れた尻尾の先がヌメヌメと希美子の愛液を纏って器用に股を前後する。その強すぎず、弱すぎない絶妙なタッチが堪らない。
「き、もち……いい……です……あっ……あ」
豆を嬲り、蜜壺を押し入るようにぐにぐにされ、尻穴をチュルリと通過される――その繰り返し。
やがて、蜜壺をぐにぐにと甚振るだけ甚振ると、愛液をたっぷり纏って――ナカへ侵入された。
「ッ――――っ!んあっ?!」
「安心しろ、俺の尻尾は普段ださねぇだけあって随分と清潔だからな」
さらりと挿れる前に洗浄魔法で無菌状態のジークヴァルトの尻尾であったが、希美子には多分何も聞こえていない。
「あっ……あっ……狼しゃ……の、尻尾……じぃくの……っ」
愛液を纏った太い尻尾の先を、くちゅくちゅじゅぼじゅぼと音を立てて出し入れさせる。
ジークヴァルトからの眺めもなかなかに強烈だ。
ツガイの秘部に己の尻尾を突っ込んで、後ろから致しているため、普段あえて見ないようにしていた尻穴が丸見えである。
ジークヴァルトはツガイの震えるまろい尻に手を伸ばして撫でてやった。
「良い眺めだ、なあ?希美子」
「あ……ァッ……あん……じぃく、ば、るとぉ……」
感じ入ったツガイが自分の名前を呼ぶので、尻尾の出し入れを少し早めてやる。
「あっ!!あんっだめ、いっちゃ――いっちゃううっ!」
ビクビク尻を跳ねさせながら、ジークヴァルトを誘惑してくるツガイのソレに、そろそろジークヴァルトも我慢の限界が来た。
「――イケよ」
そういうと、目の前で踊る希美子の尻に顔を埋め――
「――――?!!」
ちゅるり……と、尻穴を舐めてきたジークヴァルトの行動があまりにも衝撃的で。
「あっああっきもちぃ!じぃく!それきもちいい――ッ!アッ――――!」
希美子の中に侵入していた尻尾の先をこれでもかと締め上げて。
――ちゅる……ちゅ……ちゅぱっ……
「アッ――あァン!やあああっ――!」
尻を、尻穴を這うジークヴァルトの舌にこれでもかと集中して。
――れろっ……
「ッア――ッ」
希美子はイッた。
「……おい、まだだ」
快楽の余韻に、バスタブに腕を引っ掛けて縋るように朦朧としている希美子が、ジークヴァルトの声に後ろを向くと。
「……昨日の、続きだ」
狼の頭部を持つ大きな獣が、獲物を見つけた時のように、ギラリと目を光らせて希美子を捕らえようと手を伸ばしていた。