15.狼獣人さんは反省する?※

 こんもりと膨れた布の塊から女の生脚がにょきりと生えているような間抜けな絵面に、興奮してしまっている己をさすがに変態かと思うジークヴァルト。

「良い格好だ……なあ、希美子」

 ぴくり、と、象牙色の滑らかな脚が揺れて、思わず喉を鳴らして嗤ってしまう。

 ツガイの素直な反応は、ジークヴァルトをいつも楽しませてくれる。

 ゆっくりと、ショーツを抜き取ると、丸出しの下半身が滑稽さに輪をかけた。

 間抜けに生えた二本の脚をパカリと割ってその間の柔らかな肉を食むと、尻が引き締まってビクンビクンと跳ねた。

 ジークヴァルトを求める香りが濃厚になって行く。

(堪らねぇな……)

 自分がさせられている姿がわかっていない訳では無いだろうに、ジークヴァルトの唇に素直に感じている希美子。

 これが、自分のツガイだと思うと堪らない。

 こんな辱めを受けても、ジークヴァルトの与える快楽を待ち望んで大人しくしている姿が堪らなく滑稽で、もっと可愛がってやりたいという気持ちが湧いてくる。

 ドロドロに気持ちよくしてやりたいと思ってしまう。

 獣化の応用で舌を人のソレとは違う、長くて太いものにしてやると、ジークヴァルトは希美子の蜜壺にゆっくりと差し入れた。

「――ッ――!――ッ!!」

 ジークヴァルトは、希美子がコレを好きな事を知っていた。

 太い触手のように希美子の蜜壺を余す事なく蠢かせ舐め回す。快感を受けて降りてきた子宮口の周りは濃い味がして、何度も穿るように舐め回していると随分と希美子は堪らなくなるようで、尿道口から、ちろりちろりと苦み走った液体を垂れ流すようになるのだ。

 ソレをツガイからのおねだりと踏んで、ジークヴァルトの長い舌は子宮口すら捉えて舐め回す。

「――――ッ!!」

 希美子の腰がカクカクと反応を示しているので、やはり随分と悦いようだ。

 ジークヴァルトは舌をそのまま蠢かせながら、鼻先にあるぷくりとした希美子の可愛らしい豆を、股の柔らかな痴丘を指で左右に押し広げる事で限界まで剥き出し――

 無防備なソコを鼻先でちょんちょんと、つついてやった。

「――んっにゃあぁぁあ?!」

 さすがに声を我慢できなかったのか、こんもりと盛り上がった布の中から可愛らしいツガイのくぐもった嬌声が聞こえた。

 ジークヴァルトは希美子の愛液で濡れた鼻先で優しくクリクリと豆をこね回してやる。

「――ッ!……アッ――ァッ……あァッ!だめっきもちぃっ……きもちぃの――――ッ!!」

 鼻先に付いた希美子の濃い愛液に、ジークヴァルトは下半身を滾らせながらツガイに求められた快楽を与えていく。

 布の塊から生えたような裸の下半身を滑稽に踊らせながら「きもちいい、きもちいい」と鳴くツガイに、ジークヴァルトはその肉棒をはち切れんばかりに張り詰めさせて息が上がって行く。

 熱い息が希美子の豆にかかった瞬間、彼女が盛大に絶頂に達したタイミングで、ジークヴァルトは舌を抜き去り、滾り切ったその欲棒で彼女を貫いた。

「ひいぃぃいいん!!ジーク待っ――イッて、イッてりゅのおぉぉおっ――ヒイィッ――!!」

 布の塊が何か叫んでいる。

 ジークヴァルトは希美子の顔を想像しながら、脚を掴み上げ引き寄せるように、まるでモノを扱うように激しく責め立てた。

「ヒイィっひぎっ――ヒイィ――またイッ……ゆるっゆるしてぇぇえっ!あア――――!!」

 希美子が連続でイキ続け、赦しを乞うもジークヴァルトは止まらない。

 希美子の穴を穿ち続ける。

 希美子の中が熱くなり、蠢き、ジークヴァルトの肉棒に絡みつくように、吸い付くように締め付けてくる。

 その、ジークヴァルトを求める身体の無意識が彼の全てを満たしていく。

「――ッは、激しッ……ジ……ああん!アッアアッ!!」

 ラストスパートに入ったジークヴァルトが、激しさに輪をかけて希美子の好きな所を集中的に責め立てると、溺れたみたいに手を伸ばした希美子。

 その手をジークヴァルトが引き寄せると、希美子のぐちゃぐちゃの顔が露わになって、ジークヴァルトは思わずキスをした。

 その甘いキスに希美子の顔はとろとろに蕩け――

 彼女はカクンと、意識を手放した。

 次いで、腰を一際強く深く打ち付け、最奥に白濁を叩きつけたジークヴァルトが希美子を力強く抱きしめる。

「は……ハァッ……はっ……は……くそっ!」

 思った以上に、いや、凄く興奮してしまったジークヴァルトは希美子を抱きしめた格好のまま、乱れた息を整えていく。

 ちなみに、希美子の中には未だ入ったままだ。

「……は……はぁ……は――」

 ぎゅっと、希美子の首筋に顔を埋めた。

 ツガイの甘い香りをしばし堪能する。

「………………」

 そして、一つ思う。

(…………やり過ぎた)

 無意識に狼の耳がへにょりと垂れ、尻尾がぺたんと芝生に横たわった。

 言い訳にもならないが、獣化した獣人は人化している時と比べて本能に忠実になってしまう。

 特にジークヴァルトは、子どもの頃から人化して人族の街で生活していた事もあり、獣化した時の心理の変化に普通の獣人より慣れていない。彼が獣化するのは大抵が戦いの時だったので、獣人の闘争本能を抑える必要なんて無かったのだ。

 しかし、今は戦闘中では無い。

 いや、ある意味戦闘ではあるのだが、理性が焼き切れるような事はジークヴァルトの本意では無い。

 ツガイに愛想を尽かされたりしたら目も当てられないのだから。

 と、その時――「くぅん……」と、ジークヴァルトの喉から、出した事も無い情け無い鳴き声が発された。

(――――?!!)

 ジークヴァルトはその声にハッとしたように覚醒した。

 そして愕然とする。

 今のは何だ、自分が出したのかと、若干パニクるジークヴァルト。

 ジークヴァルトはこんな自分を知らない。

 そして、こんな風に変わるのが嫌で、許せなくて、落ち人を否定しようとしてきたのでは無いかと、そんな暗い思いがこみ上げた時だった。

「……んにゃ……じ……く……ぅ……すぅ」

「…………………………」

 脱力を誘う、ツガイの間抜けな声に――今、この現実に引き戻された。

 自分と番う事を誓った女が、ジークヴァルトの腕の中で安心しきったような顔をして眠っている、この現実に。

 意地を張るのは馬鹿らしいと、何度このツガイはジークヴァルトに思わせてくれた事か。

 なんとも言えない表情が微笑みに変わり、希美子の寝顔を眺めるジークヴァルト。

 このまま起きるまで眺めているのも悪くない、そう思う一方で、このまま揺さぶり起こしてやりたい、とも思う。

 ――自分のツガイはどちらを望むだろう?

「――ふあっ?!」

 快楽に弱く、気持ちの良い事が好きで、少し変態なツガイは後者だろうと当たりをつけて、腕の中の希美子を貫く自分の欲を、腰を揺らす事でゆっくりと甘い抽送をはじめる。

「……っ…………ふっ……ん、んアッ……」

 眉根を寄せて、むずがる仕草も束の間――直ぐに気持ち良さそうに、閉じた目はそのままに感じ入るように頰に紅色を薄っすらと浮かべて口から甘い声を出しはじめる希美子を、ジークヴァルトは悪戯っぽく見つめている。

「おい、このままイクか?」

「……ふぅン――ッ……あ……うンッ……」

 眠っているせいか、いつもよりも緩い希美子の秘部を、ジークヴァルトのモノは円を描くように柔らかく愛していく。

 そして、コリッと、アソコに引っかかる感覚がした。

「ッ――ふ、きゅぅう……うっ……ふ……ふぁ」

 カクンッ――カクンッ――と、その場所を優しく刺激していくジークヴァルト。

 眠っているツガイが、ただ気持ちよくなるように、そんな風に愛していく。

「どうだ?……悦さそうだな?……ん?」

「……じぃく……きもち……ぃ……ん……ッ」

「そうか?」

「……ん……すき、ッ……じ、く……すきぃ」

 カクンッ――カクンッ――

「じ……く、は?」

 カクンッ――カクンッ――

「ああ……そうだな」

 カクンッ――……

 ジークヴァルトは、眠る希美子の耳元にそっと唇を寄せると、囁いた。

 ――俺もだ。