聖女様はガテン系お兄さんを喘がせる7

 階段をバタバタと登ってくる音が聞こえて聖女は咄嗟に部屋の鍵を確認した。

「聖女?! 男の悲鳴が聞こえたようじゃが……?! 」

「すみません、時空結界が解けていたようですが問題ありません。私に『落ち人様』が遣わされただけなので! 」

「?!!?!?!落ち人様じゃと?!! 」

 扉の外で老人の驚く声が聞こえるが、聖女は「それじゃあ取り込み中なので 」と言って何かを口の中で唱えると老人の声が全く聞こえなくなった。

「失礼しました庸介さん、時空結界を貼り直したので外には一切声が聞こえないですよ! 安心して喘ぎまくってくださいね! 」

「ッる……せぇ……ばか…… 」

 振り返った聖女の先に居るのは……普段彼女が使っているフカフカのベッドに、両腕を左右それぞれの柱に括り付けられた庸介である。

「はぁうぅ……うっとりしてしまいます……庸介さん色っぽ過ぎです……我慢出来なくなりそうです…… 」

「……ほんっと……お前じゃ無かったら殴ってるわ……んぐっ! 」

 しかも両足は折った状態で固定するように紐で結ばれて、ご丁寧に尻の下に枕まで突っ込まれて『大変良い格好』である。

「クリストハルト様の奥様、紗枝さん考案の『ピンクローター』ちゃんと気持ち悦いですか? 庸介さんのお尻に洗浄魔法は掛けましたし、食用スライム液もタップリ使いましたし痛くはないですよね? はぁ……興奮してしまいます……」

 そう言って庸介の筋肉質な脚に擦り寄り内股に頬擦りするオリエンヌ。

 一方庸介は痛みは無いが色々折れそうだ、こころ的な何かが。

「庸介さんの庸介さんもふるふるしながら泣いてますよ……? 」

「んあっ?! ――あぐっ?!」

 先っぽをオリエンヌの指の腹でくにくにと撫でられ、堪らず庸介の腰が跳ねたと同時――尻の中のソレを思いっきり締め付けてしまって、目を見開いた彼にオリエンヌは安心させるよう額へ頰へキスしていく。

「はぁ……庸介さん素敵です……こんなに逞しい身体なのにとても感じやすくて……最高です…… 」

 オリエンヌは庸介の汗ばむ身体を撫で回す。割れた腹筋を確かめるように手の平全体で触れながら、逞しく盛り上がる胸板に頬擦りした。

  見たことも無いような美しい生き物の甘えるようなその仕草に庸介の中の何かが満たされてしまう。

 させられている格好も、突っ込まれている物も、全て受け入れているのだと心が錯覚しそうになる事に気付いて我に返りそうになるのに……理想の女が己にすり寄って来る姿に酩酊したまま、心のどこかで「もういいか……」などと思いはじめたその時、キラキラしい聖女は信じられない事を言ってきた。

「じゃあ庸介さん、自分でお尻に指を入れてみましょうか! 」

「?!?!!?! 」

 聖女は庸介の利き手と思われる右手を解放すると、ちょっと重いその腕をうんしょと持って尻に誘導する。

 ご丁寧に庸介の身体を少し左へ傾けて、後ろから尻穴へ入れられるよう体勢を整えさせた。

「お腹のどこかにですね、力を入れると尻穴を弛ませる事の出来るポイントがある筈なんですよ。こればっかりは個人差があるようなので一度やってみない事には……庸介さんがご自分のポイントを既にご存知なら必要ありませんが……? 」

「知るわけねぇだろうが?!! 」

「じゃ、仕方ないですね! さあ、見ててあげますからズプッといっちゃって下さい! 」

「」

 暗に「アナルオナニー経験者ならやらなくていい 」と言われて咄嗟に否定した庸介だったが、聖女は無情だった。

 既に庸介のソコに突っ込んでいた『ピンクローターちゃん』の魔力電動コードをクンッと引っ張りながら「嗚呼……庸介さんのお尻の穴可愛いです…… 」と変態発言かましている。

 このローターに魔力を流しているのはオリエンヌだが、既に彼女によって魔力回路が構築され先程まで何度も何度も繋がっては魔力を受けていた庸介の身体には、もうオリエンヌの魔力が満たされ流れている。

 ローターの魔力はしっかり反発してバイブレーション機能が発動していた。

 ……クンッ、クンッ……クンッ

「お……ま、やめッ……おいっ――ンンッ! 」

「………………」

 ローターのコードを引っ張るたびに庸介の大きな雄は震え、顔を赤くした庸介の瞳に涙が浮かんだ。

 クンックンックンッ…………クンクンッ

「あっあ、アァッ!………………んあっ!!」

「………………」

 オリエンヌが女神に願った通りの『感じやすい落ち人』は、オリエンヌの『イジワル』に素直に感じて震え鳴いている。

 逞しい胸のその中心と震える大きな雄を勃たせながら、オリエンヌが感じて欲しい通りに感じてくれる。

 造形だけは美しいその目を見開いて、オリエンヌは目の前の男が鳴く様をガン見した。

 常人なら目が血走っているところだろうが奇跡の美しさの恩恵か、側から見るとただ目を大きく開いている美しい生き物にしか見えない。

 ――クン、クンクンッ

「んあっ、あ、あ! 」

「……庸介さん、気持ちいいです……? 」

 ――クン……

「……あっ……やめ、オリエンヌ……」

「……ちゃんと自分でお尻の確認できますか? 」

 オリエンヌはそう言って魔力を強く流し、バイブレーションを限界まで震わせた。やめろと言う癖に自由になっている利き手は握りしめたまま何もしてこない事に頰が緩んでしまう。

 ――ヴヴヴヴヴヴヴ

「くあっ?!!や、やる! やる、からぁ――! 」

 堪らないのか庸介は激しく身悶えながら、震える雄から先走りをダラダラと零しはじめた。

「本当ですね? 約束ですよ……? 」

 ――ヴヴヴヴヴヴヴ

「――ッ――――ッ!! 」

 下唇を噛み締めてコクコクと首を振った庸介の目尻に光るものがオリエンヌは愛しくて堪らないと思った。

「可愛い庸介さん、今イカせてあげます……私の方を見て下さい 」

 そのオリエンヌの言葉に、余裕が無いながらも薄眼を開けて自分の股間からした声の主を見――

「ッ?!! 」

 舌を出したオリエンヌが庸介の雄の先を舐める瞬間を直視。

 その衝撃に快感が駆け抜けた時、オリエンヌはその小さな口に庸介の先端を迎え入れ――限界まで含んで吸い上げた。

 ――ちゅぽんっ……

「んあああっ?!!! 」

 

 絶妙なタイミングでローターが引き抜かれ、尻穴に感じた事の無い快楽が広がり、吸い上げられるままに庸介はオリエンヌの喉へ飛沫を叩きつけた。

「ん、んっ……んん…… 」

「は……も、やめ……アァッ!……あ、はぁ…… 」

 最後の一滴も残すまいと出してからも吸い付いているオリエンヌに制止を呼びかけるもなかなか離れてくれない。

「ぷはっ……庸介さ……?!」

 オリエンヌがソコから口を離した頃、庸介は半ば放心状態だった。

 片腕は縛られているためにあげさせられて無防備に脇を晒し、縛られていない方の腕はダランと横へ……脚は二つ折りに固定され開かされ、中心の雄は果てさせたばかりで力なく横たわり、目の端を涙で濡らしながら放心している逞しい雄。

(こ、これが……この人が……『私の落ち人様』…… )

 オリエンヌは庸介の姿をガン見しつつも、両手を組んで膝立ちになり……女神に祈る『聖女のポーズ』を取った。

(私が普段どれだけ品行方正な聖女だからと言ってもこんな素晴らしい贈り物を下さるだなんて……女神様は女神様です……素晴らしいです……ありがとうございます、ありがとうございます……)

 縛られ脚を広げて放心する逞しいお兄さんと、その股間で祈りを捧げる聖女。

 その残念な光景は、庸介が我に返り腰を捻ってオリエンヌの腰へ一発膝蹴りを入れるまで続いた。

「あ、愛が痛いです、庸介さん……すぐ回復できますけど」

「………………」