庸介は人生最大の――とは言っても自分は一度死んでるらしいので、何と言ったら良いのかわからないが――混乱と言うか危機と言うか幸せ……とは言いたく無い状況に陥っていた。
「………………」
庸介は今、手足が自由にならない状況で天使なのか聖女なのかわからん程にキラキラしい生き物に乗っかられている。
「………………」
しかも、彼の雄を下の口でしっかり食った状況で天使だか悪魔だかわからない美しい生き物が眠ってしまっている。
「……ッ…………ぐっ!」
その寝顔も絵画のように美しく、神々しさすら感じると言うのに……下半身は時折庸介の雄をキュッと締め付けたりするので堪ったものではない。
二回も果てたと言うのに庸介のソレは既に元気を取り戻してしまって……ムクムクと成長する度に聖女の蜜壺も喜ぶのかヒクヒクと震えては吸い付くように締め付けてくる。
控えめに言って天国かと思うほどには気持ちが悦い。
「あー……くそっ……サルか俺は……うぐっ!」
先ほど上体を揺らして聖女を起こそうとしたら彼女の身体が揺れた事により、下半身に反撃を食らってしまったので……彼はガチで身動きが取れない状況にあった。
庸介自身、歳も歳なので『はじめて』とやらに夢を見ていた訳では無かったが……さすがにこの状況は想像の斜め上過ぎた。
ちらり……と、自身の上でスヤスヤ眠る聖女を盗み見る。
白くて柔らかな頰に薄っすらと薄紅色が差し、伏せられた長い睫毛と 形の良い鼻、濡れたような小さな唇――
「………………」
……この唇が、先程まで庸介の雄を愛おしげに咥えて――
「ぐっ……」
顔を覗き見ただけでコレである。
ああ――認めよう。庸介の好きな顔だ。
好きどころか……理想の具現化と言っても過言では無い。
――が!いかんせん中身が凄過ぎる。
先ほどこの聖女は言っていた。
『童貞で感度が良くて尻穴弄っても怒らない屈強な男性落ち人を授けてください』とお祈りしていたと。
童貞は、先ほど反射的に否定してしまったが事実なので認めよう。
感度……にしても、乳首ちょっときもちかったので大変不本意ながらそうなのかも知れないとは思ってもいい……ただ――尻穴。お前は駄目だ、ソレはヤメろ認めない。
そう思いながらも再び庸介はスヤスヤ眠る綺麗な悪魔に目をやる。
「………………」
いや……この顔に迫られたら少し自信が無い……。
自分はこんなに面食いを拗らせていたのだろうか……?顔がこれだけ好みというだけでここまで何をされても怒る気になれないものだろうか……?
(……あー……わかんね)
「んん……すぅ……ンッ!」
「うぁ?!あ、おいコラ……ッ!」
その時、聖女がもぞもぞ動き出した。
「ぐっ!おいっ腰動かすんじゃねぇ?!」
「うん……クリストハルトさまぁ……」
「っ?!」
庸介はその寝言に冷や水を浴びせられたような心地になった。
凡ゆる可能性が彼の中で瞬時に展開される。
昔の男、想い人、恋人――
(は……男の名前……?いや……そうか……)
少し考えれば分かる事だ。彼女は自分と比べて随分と慣れていたように見えるし、見た目だって綺麗だ。そうそう男が放っておく訳が――
「あっ……ラファエルさま、そんな……」
「……あ?」
なんか人が増えた。
「アッ……アダン様もっと……そう……」
「ああ?」
庸介は何となくツマラナイ気持ちになってグッと腰を突き上げた。
「ああんっきもちぃ……クリストハルトさまぁっ……」
振り出しに戻った。
「…………………………」
彼女はどうやら夢の中でクリストハルトとしているつもりのようだ。
庸介はツマラナイ気持ちから腹立たしい気持ちになって突き上げを早くする。
「あっあっあっあっあ……!」
「…………………………」
自分の動きに合わせて喘ぐ美しい生き物に支配欲が満たさ……
「やんっも……だめぇ……ラファエル様っアダン様をもっと!そう!快楽堕ちさせるのですぅっ!!――アァンッ!」
「…………あ?」
……れる前に何か変な台詞が聞こえた気がする。
一方イイ所で止まってしまった刺激に聖女は物凄く不本意そうに寝顔を歪めながら――まあ、そんな表情すらキラキラしいのだが――モゾモゾと庸介と繋がっているその部分をまさぐりだした。
「ん……魔力切れ……?ううん……」
そう言って、その小さな手が庸介のソレに触れた時――
「んぐっ――――ッヌァァアッ?!!?!」
「あっあっ!アァァァアアンッ!!」
快楽に性器を絞り上げられ子種を無理矢理に吸い上げられるような――暴力的刺激が彼を襲い、堪らず聖女の中に飛沫を上げる。
「――――ハッ……ハアッ、ハアッ」
「あ……あふ……?あひゅっ……」
一方聖女は突然ギンっと力を持ったソレから叩きつけるように吐き出された熱い飛沫に感じた事のない快楽を植え付けられ、ビクビクと痙攣している。
……コレは――ヤバイ。
無意識でなんて事してくれるんだこの聖女は?!
庸介は真っ青になって身体を揺らして聖女を起こす。ちなみに先ほどの刺激が強すぎて庸介君の庸介くんは休戦状態だ。故にあまり刺激も無い……というかちょっと麻痺して刺激を感じない……大丈夫なのか、もう使い物にならなくなったりしないのか。
「おいコラ、起きろこのバカッ」
「ぴゃっ?!」
怒鳴るまではいかずとも大きな声で叱る様に言われ、さすがにビクッと目を覚ます聖女。
「……え?なに……え、イケメン?!」
「……あ?」
目を覚ましたと思ったのにまだ寝惚けているらしい聖女は庸介を開ききってない目で捉えてそんな事を言った。
(……いけめん……?俺が……?)
庸介さんは無自覚系イケメンだったようだ。
ゴツくて目付きも悪いので女子に怖がられる事が多い彼は面と向かって容姿を褒められる事は殆ど無かった。
「あれ……私、イケメンの上に乗っ……あれ?」
寝ぼけ眼で「あれ……?あれ?」なんて言いながらモゾモゾ動き出した聖女に、庸介は「イケメン」と言われた衝撃から固まっていて、次の彼女の行動を止めるのが遅れた。
モゾモゾと庸介の上で起き上がった彼女は何を思ったのか、おもむろに聖女服をたくし上げて――二人の結合部を確認した。
「?!?!!?!」
「あ、挿ってる……ァッ……やんっ、おっきくな……アンッ」
先ほど無体を強いられたばかりだと言うのに、童貞を散らせたばかりのオトコノコには刺激が強すぎるその光景に、庸介の庸介くんはバリッと強度を取り戻してしまった。
そしてあろう事か、裾をたくし上げたまま裸の胸を揺らしながら――腰を振りだした。
「あっあっ……きもちぃ……しゅごい、クリストハルト様と全然違うっ今までで一番きもちいぃ――っ!」
「っ――!?」
またクリストハルト!そう思うのに、目の前の聖女の「今までで一番」と言う言葉に庸介の中の何かが満たされ、満足し、そして高揚してしまう。
庸介がただ寝ているその上で、聖女はどんどん夢中になっていく。
「こ、こんなっこんなの初めてですぅ!」
処女ですし。
「はっ……く……アッ!」
しかしそんな事を知らない庸介は、自分の上で結合部を晒して乳房を揺らす踊る極上の美しさを誇る聖女の痴態に煽られて……
「あっ、ヤァ!突き上げちゃダメぇっ……すごい、凄いとこ入っちゃってるうぅっ!ヤァァア――」
猛然と聖女を攻め立てた。
「こ、これぇっす、すごぉい……しゅ、しゅごいれすうぅぅっ――」
自分好みの逞しい身体に為す術もなくひたすら揺さぶられ、オリエンヌは夢のような極上の快楽の中でひたすら達し続けた。
「あっ!イッ、イッて……アァッ!――ァ――ァァア――ッ!!」
そんな自分の好みど真ん中の女の痴態を見せられ続け、庸介も猿のように腰を振り続けた。
二人が我に返るまで、もうしばらくかかる……