膝頭に唇を落とされて下肢を震わせる優香だったが、ラウロの唇はそのまま彼女の柔らかな内股をなぞり降りていく。
「ぁ……はっ……ぁあ ──ッ 」
期待に満ちた優香の嬌声を感じ入るような表情で聴きながら、時折チュッと啄むようなキスをするラウロ。女の柔らかな肌を、いやらしくぬるつく舌で味わうそのさまは、なるほど彼が彼こそが夢魔であると思わずにはいられない。
姿かたちは人族と変わらないと言うのに、ぼさぼさの黒髪の間から時折覗くその瞳は官能的。
そんなラウロがちらりと優香を流し見てきたソレに、彼女がとらわれた時──ドクリと心臓が熱い音をたてて全身が戦慄いた。
囚われた、視線に。
耳鳴りがする、脳の奥が痺れるみたいに何も考えられない。
「ぁ……ああ…… 」
──脳が犯される
「ああぁぁああっ── 」
絡みとった視線はそのままに、ラウロが優香の秘裂へと舌をゆっくりと差し入れた時、彼女が達した。
可愛らしい秘豆の覗く秘裂のはじまりから、蜜口までゆっくりと、生温かい生き物のようなソレが堪らなくきもち良くて。
「可愛い優香、たくさん気持ち悦くなろうね 」
「もっ……だ、ぁ……あ……」
ちゅっちゅっと、悪戯に秘豆を啄まれては余韻の中でもビクビクと跳ねてしまって。
もう充分なのに、そう思っていたところで言葉は全て嬌声へと塗り替えられて伝える術を持たない。
「あぁっゆびっ……ゆびぃ……ぁ、くっ……アァッ 」
唇が離れたと思ったのに、ラウロの筋張った指が優香の蜜壺へと差し入れられて、形がわかってしまうくらいにぎゅうぎゅうと締め付けてしまう。
締め付けると、きもちがいいから。卑しいほどに貪欲に食いしゃぶる膣壁を止めるすべなんて無くて。
形が良くて、長くて、ゴツゴツした、ラウロの『指』
────すっごく、気持ちいい……
優香が感じ入って仰け反るさまを、夢魔は満足げに眺めながら不埒な指先で快楽を与え続けた。
「そう、俺の指だよ。どんどんぬるぬるになっていくね、優香が喜んでくれて嬉しいな 」
ラウロの指だけで、腰から下の感覚が麻痺してくるほどに気持ちがいい。それなのに、淫魔は秘裂へと差し込む舌の動きを再開させてしまった。
「──ッ 」
「可愛い優香、可愛い…… 」
そんなふうに優香の発する悲鳴ともとれない、『声にならない声』を時折なだめながら、ラウロはひたすら快楽を与え続ける。
ぬめぬめとしている。しかし少しざらつきも感じられて、ソレがラウロの舌先なのだと生々しい感触が伝えてくる。それがどうしようもないくらいに恥ずかしくて、どんどん気持ちよくて。
すぼめた唇が秘豆に口付けて、啄むように吸い付く卑猥さと言ったら──
──ちゅ、ちゅっ……ちう……
「アアッ! 」
優香はシーツを握りしめて、全身を強張らせ震わせた。
その時の淫魔の愉悦に満ちた表情は、変えがたい贈り物を貰ったかのように嬉しげで、目の端にそれを見た優香は、乱れる自分を恥じるどころか誇れてしまう。
恋人が、こんなふうに悦んでくれるなら良いじゃないかと。
乱れる己も、浅ましく彼の指に絡みつく膣襞も、震慄き喰いじゃぶる蜜壺も。
愛おしいと、可愛らしいと、その声音が伝えてくる。その瞳が、息遣いが。
──解放されてしまう。
プシュリと、蜜が弾けた。
ふるふると震える優香にラウロが覆いかぶさる。流れる涙を唇で拭うと、優香の中心に熱が触れてクチュリと音をたてた。
「ぁ……あ…… 」
目を見開きながら、縋るようにシーツを握りしめて震える恋人が愛しい。
「ん……うぅ、ンッ…… 」
頭を撫でてやるとグッと目を閉じて受け入れるようなそのさまに、思わず腰を進めてしまって。
先端のくびれまで、優香の愛液を纏ったそれは難なく飲み込まれてしまう。陰唇はだらだらとはしたなく涎を垂らして咥え込みながら、やっと与えられたラウロの熱を放すまいと蠢いた。
「あっ……ぁ、きもち……あぁっ 」
「ん、すごい……優香の中は本当に熱いね 」
ラウロこそ、そう思った優香の中を熱く滾る剛直が貫いた。
──火傷しちゃう
──溶ける
──キモチイイ
「だめぇっ──── 」
その隘路はラウロの愛撫と、優香自身の愛蜜によってすっかり変わってしまっていた。膣襞は蠢いて、まるで媚びるようにラウロの熱を喰いしゃぶる。
歓喜に震えて男を頬張るそんなさまを、それでも愛おしそうに眺めてくる男が優香を抱いていた。
震えながら涙を流して、幸福と愉悦が入り混じり訳がわからないくらいに溺れてしまう。
淫魔の愛した女は、快楽にどこまでも従順に縋った。
優香の細い腰を、優香の好きなゴツゴツとした手が捉えてゆするたび柔らかな乳房が形を変えて踊り、ラウロの目を楽しませた。
(──、────……)
心の中で、小さく遠く愛を囁かれている。しかし優香はそれを言葉として捉える余裕がなかった。
昨晩の熱く叫ぶようなものではなく、静かに優しく語りかけるようなソレは、今のこの凶悪な悦楽とは遠く。
「ひぃっ!」
太茎が根本まで突き刺さり、最奥を押し広げるようにされた時 ──全身がビリビリと痺れだした。
「あ……かっ……ハッ…… 」
淫魔はそれを認めて目を細めると、最奥ばかりを小刻みに揺すりだす。
「ぁ……、あぁ、すご……いの、いい、……すごい──ッ 」
優香の全身が震慄き、痺れて、ラウロとの結合部だけに意識が囚われてそれだけになる。
クンクンと子宮口を押し上げたまま突き続けるようなソレに、絶頂が繰り返し襲ってくる。
「も、だめ……だめ、なの……も…… 」
「そう? 優香のここは、まだまだ俺を欲しがってくれてるけどな 」
そう言って秘豆に指先が触れた。
「アァァァアア── 」
ビクビクと全身を震わせて達した優香を見ながら、淫魔は舌舐めずりをした。条件反射である。
「ああ優香、魔力定着が終わったらいつか君の精力も食べてみたいな……きっと、今まで口にした何よりも美味しいと思うんだよね 」
──その時は、俺のも食べさせてあげるから
そんな言葉を最後、優香は遠くに聞いて意識を手放した。