異世界行ったらインキュバスさんと即えっち!28

 目が覚めた時、窓の無い寝室は眠る前と同じく薄暗かった。

 

「目が覚めたの? 優香 」

「ラウロ……起きてたんですか……」

 優香はラウロの胸に抱かれていて、彼の表情がわからなかったけれど、その優しい言葉にホッと息をついた。

 一糸纏わぬ優香の背中を、骨張った手が優しく撫でていく。

 官能を刺激するようなものではなく、ただ安心させるようなその動きを、優香は微睡みながら受け入れる。全身隅から隅まで温かな優しさにつつまれるような時間だった。

「んー……本当なら一月はこうしていられる筈なんだけどなぁ 」

「……へ? 」

 何か不穏な事を言われた気がする。

 いくら幸せだからといって、一月もこんな状態でいたら駄目になる。絶対。

「ん? 言ってなかったっけ? 『落ち人休暇』、人族の国の真似っこなんだけどね 」

 もぞりと動いたラウロが、彼を見上げるように視線を上げていた優香の頰を、ふにっと指先で押した。

「ふむ?! 」

 突然の強制変顔である。ラウロの意図する事がが分からず、優香は目を見開いてクエスチョンマークでいっぱいになった。

 そんな優香のリアクションに、ラウロは嬉しそうに笑う。

「あー……やっぱ駄目。優香、抱いていい? 」

「ぇ……えっ?! えええっ!?!!」

 ぎゅううぅっと抱きしめられて可愛らしく言われたが、いったい全体ラウロのスイッチは何処にあったと言うのか。

「え、あの、ラウッ……ぁんっ! 」

 優香の太ももにツルリと触れた温かなソレに、思わずゾクリとした快感が生まれた。

 先端から漏れ出る粘液が、その状態をまざまざと優香に伝えてくる。

 完全人型のラウロ、彼の下半身にあってなおかつこんな風に熱を持って勃ち上がるものは今のところ一つだ。

「なに、優香……きもちぃの? 」

(気持ち、いいって言うか! いや、悦いんですけどコレがラウロのだって思っただけでなんで言うか……嗚呼またっ── )

「アンッ! 」

「可愛い優香、ね。キスしよう、たくさん…… 」

 そう言って優香に覆いかぶさるようにして、形の良い唇が優香のそれを塞ぐ。

(あ……きもちぃ…… )

 唇が触れた場所が、微かに電気が走ったような気持ちよさを生んで、それに気を取られている隙に舌を絡めとられ、短く吸われた。

「ンッ……んんっ……ふぁっ 」

 吸われたと思ったのに、今度はラウロの唾液が送られて慌てて飲み下したとき何故か優香の中心に、ポッと熱が灯った。

「んっ……あ……なに……ぁ……ふうぅっ…… 」

「どうしたの優香、凄く気持ち快さそうだね? 」

 そう言ったラウロが「あれ……何か忘れてるような? 」と、いったんキスをやめて優香を覗き見た。と、そこには……

 頰を上気させ呼吸を乱しながら、ウットリと自分を見つめる『ラウロの落ち人』の姿があった。

「あ……思い出した……落ち人に、口からの魔力譲渡は用法容量を守ってって言われてたっけ……ごめんね、優香。俺すっかり──── ンッ 」

 ラウロが言い終わるよりも先に、優香が彼を引き寄せ再び口付けた。

「んっ……んん ────ッ 」

 どこか焦るような縋るような優香の口付け。

 その理由を先程思い出したラウロが、宥めるように彼女の頭を撫でながら口付けに答えた。

 ラウロの思い至った『理由』、それは落ち人への最初の口付けである『魔力回路構築の為の口付けによる魔力譲渡』の後、魔力定着までの循環作業(この場合、繁殖行為を指す)終了までに口内から魔力を送り込んだ場合、比較的高い確率で媚薬を摂取した時のような症状が出るのだという。

 ──早い話し、出会って一月そこらの落ち人は、口から魔力を送り込まれると発情しちゃうのだ。

 その証拠に、何度もキスを強請るように甘えた声を出す優香はすっかり出来上がってしまっている。

「ハァ……ハァ……らうろ、らうろぉ…… 」

「ごめんね、気持ち悦くしてあげるから 」

 

 少し困ったような、申し訳ないような表情で優香を撫でながらラウロは優香の全身にキスを落としていく。

「いっ──! アァッ、きもちぃ……きもちぃのっ! も……ねが、ぃ早く──んん?! 」

 薄い桃色の乳首にキスをされても、足りないとばかりラウロの頭を抱き込んで更なる快楽を強請る優香に、ラウロは焦った。

 こんな痴態を見せて、彼女は平気でいられる性格をしていない。そう、思った時には唇を塞いでいた。

「ん──ッ! ンンッ! 」

 魔力は流し込まないように、慎重に。

 深く、深く口付けながら彼女の秘部を骨張った指で探る。

 強く存在を主張するかのように尖った花芽は、既に彼女の愛液で濡れそぼっていたので、ラウロは指先で可愛がってやるだけでいい。

 コリコリと秘玉を転がすように、絶妙なタッチで骨張った指先が花芽を弄ぶ。堪らず優香はビクビクと身体を跳ねさせた。

 その間もラウロは優香の唇を捉えて離してくれない。

「────ッ────ッ! 」

 優香は涙をポロポロと流しながら達した。

「ハァ……ごめんね優香、君はただ感じでくれればいい。いい? これから君が何を言おうと、それは全て俺のせいだからね 」

「ハァ……ハァハァ……ぅ……? 」

 息を乱しながら、ラウロの言ったことの半分も理解できていないような表情で優香が彼を見た時、ラウロは優香の膝にキスをした。