「ねぇ、俺と……普通のエッチがしたいって? それが今、優香の一番求めるものだって知った時の俺の気持ちがわかる? 」
ふわふわのベッドに優香を横たえると、ラウロは覆いかぶさるようにして唇の雨を降らせた。
優香はラウロのこれが好きだ、ラウロもそれをわかっている。
やがて唇は優香の首筋をなぞって下がって行く、優香はビクビクと震えて漏れ出る様な声で「きもちいぃ……」と呟いた。
「ああ……ずっとずっと、食事をしている時から優香の中に挿入りたくてしかたなかった 」
ラウロの長い前髪がサラサラと優香の頰を、首筋を悪戯に滑っていく。くすぐったいような、気持ちの良いような──そんな事を考えていたら、鎖骨に軽く歯を立てられてビクリと身体が跳ねた。
「でも、優香は普通がいいんだもんね 」
「ぅ……ふ……くぅ……アッ 」
悶える優香を流し見て微笑むと、再び唇へ柔らかなものが触れた。
「普通にこの唇を余す事なく吸い尽くして、普通にこの可愛い乳首を舐めしゃぶってたくさん気持ち良くなって貰うね 」
「んんっ! 」
ピンッと服の上から胸の先を指で弾かれて、優香は自分の指を噛んで快感を逃そうとした。
しかし、弾かれたその場所にラウロの唇が降りて、前歯を立てるようにして服の上から食まれると背筋からお尻まで電気が走ったような快感が流れた。
「や……らう……らうろさ……ぅ……」
「それから普通に優香のクリトリスにキスをして吸い上げて、先端を舌で嬲り尽くしてあげる 」
ラウロの食んだ場所が湿って、立ち上がったソレがうっすらとわかる。
ラウロが爪を立てカリカリと悪戯すると、優香は甘い声で鳴くのを我慢できなかった。
「ふっうっ……ぅ……ううっ……はっ……アァッ 」
優香の長いスカートをいつの間にかたくし上げて、下着越しにラウロの指先が触れた時、目の前に火花が散った。
「アァッ?!や……だめっ……も、だめぇ──── 」
クロッチ越しにクリトリスをカリカリと爪先で引っ掻かれて、優香は達した。
「感じやすい優香、可愛い……可愛いね 」
肩を揺らして息を乱す優香を抱きしめてラウロがあやす。「良い子だね、可愛いよ 」そう言いながら、優香を安心させるようにラウロは彼女の余韻を甘く満たした。
優香が落ち着いてきた頃に、彼女の顎を指で引いて優しくキスをする。
愛されていると、何故だかそう思う。
ラウロの腕の中で満たされながら、何故かポロポロと涙が溢れてきた。
優香が落ち着いてきた頃、ラウロは優香の服を一枚一枚脱がせていく。頬を撫で、キスであやして、甘えるように縋りながら。
やがて二人生まれたままの姿になる頃には、優香のソコはラウロによって十分に解されていて、優香はラウロが欲しくて仕方がなくて。
彼の背中に腕を回した時、その場所が彼の熱で満たされた。
『優香……優香、優香 ──── 』
途端、流れ込んで来る彼の心の声。
彼の心が必死に優香を呼ぶから、また鼻の奥がツンとして涙が止まらなくなった。
『優香、優香…… 』
「ラウロッ……好き、すきなのっ! 」
ブルリッと大きくラウロの身体が震えて、ギュッと抱きしめられる。
「待って優香……そんなに可愛い声で呼ばれると、俺……危ないから。びっくりした…… 」
はーっと息を吐くラウロと、気持ちよくて頭をぼうっとさせながら、なにを言われているのか理解出来ないでいる優香。
「……うん、優香が悪いよ? 」
「え……? 」
ぐっと腰を密着させ、優香を覆うように抱きしめながら、ラウロが猛然と彼女の奥を突きだす。
「アァッ?! イッ……あっアァァアアアッ か
──── かわいい優香かわいい優香かわいい優香かわいい優
キンッと耳鳴りがするくらいの大きな『声』が響き渡った。しかし、あまりの熱さに溶けてしまいそうな快感が優香を飲み込んで、彼女の耳に届かない。
「あああっ、アンッ……や、ぁ……アアッ!! 」
好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ ────
「アァァアアアッ!! 」
きもち悦いきもち悦いきもち悦いきもち悦いきもち悦いきもち悦い ────
「────ッ──…… 」
「くっ……ァ…… 」
全部が、白くなった。
音も、何も聞こえなくなった。
それが数秒だったのか、それとも一瞬だったのかもわからない。
ただ、全てが暗転する一瞬前にした『声』だけが全てだった。
────愛してる、君を