バレンタイン……とは

「バレンタインデー、と。いう事で……チョコケーキを作ろうと思ったら生クリームが余りました! 余らせたんだけど! 」

「ッ ……んっ……妙子……ッ 」

 落ち人が多く来るアントワールには当たり前のようにバレンタインデーもあった。

 チョコレートも。

 しかし、恋人にチョコレートを垂らして食すような文化は浸透していない。日本にも浸透しちゃいないが。なので、全く無警戒のユリウスをベッドへ寝そべらせて動かないように命じた妙子は、ユリウスの薄桃色の乳首に生クリームを絞っているところである。

 出会ってどれほど経とうとも妙子の奇行に慣れず、毎回ウブな反応で妙子を喜ばせるユリウスは、今回もまた頬を赤らめ涙目で恥ずかしそうに視線を逸らして震えている。

 させるがままの美貌の神官長が愛おしい。

 濡れたようにしっとりとした唇を小さく戦慄かせ、クリームを可愛らしくクルンと絞った己の胸を時折視界に入れてはギュッと目を綴じて震えている。

(エロ過ぎる……)

 妙子はスンッと真顔になった。

 神官服の前を剥いて肌蹴させ、うぶな乳首をクリームに覆われて震えるユリウスは大層──性的だった。

「ね、恥ずかしい? ユリウス 」

「ッ ……ッ 、ッ …… 」

 コクコクと、ギュッと目を綴じたまま小刻みに頷くユリウスを見て、妙子は喉を鳴らした。

(今すぐむしゃぶり付きたい……が、少し我慢……っ )

「ッ……ユリウス、こっち見て? 」

「……? 」

 ふるふると長くて密度の高い睫毛を震わせながら、ゆっくりと妙子の方を素直に見たユリウスに、にっこりと微笑みかけると妙子は焦らすように時間をかけて服を脱ぎ始めた。

 神殿から支給されている巫女服の腰帯を解いてボタンを外せば、前がパラリと開いて妙子のささやかな胸を覆うレースのブラとそれとお揃いのパンツも丸見えである。

「えへへ…… 」

 ユリウスを跨ぐように座っていた妙子は、枕元へにじり寄り、ブラをペロッと剥いてユリウスに見せた。

「ぁ…… 」

 まるではじめてソレを見た少年のように、頬を高揚させて見つめるユリウス。ムクムクと悪戯心が膨れ上がった妙子は、その胸を彼の眼前まで寄せると見せ付けるようにその先っぽに、チュッとクリームを絞り付けてみた。

 横目で下半身の膨らみがピクリと反応したのを確認してほくそ笑んだ妙子は、クリームで飾り付けられた自身の胸を、ユリウスの赤く濡れた唇へ持っていき──

「舐めていいよ? 」

「ッ…… 」

 ユリウスはゴクリと喉を鳴らしてクリームに飾られた妙子のささやかな胸を凝視する。

「ぁ…… 」

 濡れたような瑞々しい唇を震わせて開くと、柔らかくぬるりと湿ったいやらしい舌が妙子の胸に近づいて、そのクリームを舐めとる。

 一度では舐めとれなくて、舌全体でなぞるようにもう一度、もう一度と妙子のささやかな乳房の中心を舐めとっていく。

 恥ずかしげな表情で、白い頰をうっすらと蒸気させて。

 もう一回……もう一回……ジワリと脳を侵食していく官能に頭がおかしくなりそうだった。

「はっ……ん、んんっ……はっ、はっ…… 」

「ね、美味しい? ユリウス。もっと食べたかったら、自分でおちんちん出して扱いて見せて? ……できるよね? 」

 妙子がそう言い終えると同時、ユリウスは夢中で彼女の乳首に吸い付きながら、両手で忙しなく欲棒を取り出すと美しい手でペニスを扱き出した。

「そのままイけたら、もう片方もあげるよ? 欲しい? 」

「ふっ……ぅ……ンッ、妙子、妙子、妙子、妙子── 」

 妙子の名前を呼びながら、与えられた乳首に吸い付いたり勃ちあがったサクランボを舌で転がしたり舐めまわしたりしながら、自身をシゴく手はどんどんとスピードをあげていった。

(やっば……すごく興奮する……)

 己のささやかな胸に興奮して吸い付き、肉棒を扱き上げる美貌の麗人の姿は滑稽でいて愛おしい。そしてなにより性的だった。

「ん、ん、ん、ん────ッ! 」

 ピュルっと、美貌の麗人が作り物のような美しいペニスから白濁を吐き出した。

「あはっ、本当におっぱいだけでイッちゃったの? ユリは可愛いねぇ…… 」

 はい、ご褒美。そう言って、達したばかりで惚けている美人の目の前で、再び胸をクリームで飾り付けて与えてやる。

 先ほどとは違って飢えた仔犬のようにパクリと食い付いたユリウスは赤子のようにクリームごとちゅうちゅうと吸い付いた。

「ふふ……良い子、良い子ねぇ……ユリぃ 」

 胸にちゅうちゅうと吸い付きながら、妙子にそう言って頭を撫でられることがユリウスは一等好きらしく、再び彼の肉が力を持ちはじめた。

 前を開かれ乱された神官服に、ズボンを引き下ろされてペニスだけをポロリと出した状態で。

 ツガイに頭を撫でられながら乳首を口に含んだ神官長の姿。

 彼の乳首を飾っていたクリームはいつの間にか肌の熱で溶けて垂れてしまっていた。

「おっぱい吸ってるユリのおっぱいからもミルクが出てるみたいになってるよ? 恥ずかしいねぇユリぃ? 」

「んんっ…… 」

 自分の恥ずかしい姿を想像したのか。ギュッと目を閉じながら、それでも妙子の乳首に夢中で吸い付きペニスをぐぐぐッと勃たせていく美貌の麗人はやはり滑稽で可愛らしい。

「もう一回、シゴかずに勃ったらもっとイイ事してあげようね、ご褒美 」

 まるで返事をするかのように、ビクッと跳ねて力を持った彼のものが可愛くて、思わず目を細めた妙子。

 シゴかず、という言いつけを守るようにグッと手を握り締めて動かないようにしながらも、夢中で妙子のおっぱいに吸い付いている彼がまるで子どものように可愛くて、妙子は頭を撫で続けた。

 やがて密度の高い美しい睫毛に縁取られたユリウスの瞳がうっとりと蕩けきった頃、彼の欲望が天に向かって垂直に勃ち上がっているのを認めて、妙子が再び生クリームを取り出した。

「アッ! 」

「ふふ、先の方溶けちゃってたみたいだねぇ? ユリのたまたまの方まで垂れちゃってるや 」

 妙子の乳房を食んでいた口を思わず離して喘いだユリウス。彼のペニスの先に生クリームを絞りながら妙子が楽しげな声で言う。

 片手でユリウスの頭を胸へ抱えるように支えながら、もう片方の手で彼のペニスへ生クリームをぶりぶりと搾り出していく。

 まだ形を残していた生クリームが、ユリウスのペニスのさきっちょにクルンッと鎮座する頃には、彼の下半身が生クリームでベトベトに汚れていた。

「ああっユリッ、せっかく先っぽ可愛く出来たんだから落とさないようにね? 」

「ッ……ッッ……! 」

 妙子の言葉にユリウスは顔を真っ赤にしながら目を閉じて身体を強張らせた。

 恥ずかしすぎたのか、落とさないように言ったのに身体はプルプルと震えている。

(あ……もう、堪らないです。本当、ウチのユリちゃん最高過ぎる…… )

「ヒィアッ?!?!! 」

 堪らず妙子がユリウスの乳首を溶けたクリームごとべろりと舐め上げると、ユリウスが短い悲鳴を上げて身体を跳ねさせた。

「いや……ダメです……たえこ、落ちちゃう……から……ッ 」

「ん、何が? 」

 妙子はわかってて、彼の胸の飾りのまわりを円を描くように舐めながら意地悪く聞いた。

「ッ……クリーム、が…… 」

「ユリは今クリームでベトベトじゃない、何処のクリームの事? 」

「ペ…… 」

「うん? 」

「……お、ちんちん……の…… 」

「誰のおちんちんなかなぁ? 」

 最近、たまに妙子にも生えるようになったので。

「私…… 」

「うん? 」

「ユリ、の……おちんちんの……先っぽ、の……クリームが……お、落ちちゃう……からぁぁああッ?!!?!」

 涙目でどこか懇願するような瞳を向けられながら可愛らしく言われた妙子は、辛抱堪らずユリウスの『おちんちん』を食した。

「ああっ! だ、だめッ……たえこに、食べられたら……でちゃ、でちゃう、からぁああ! 」

「んー?んん? 」

 口の中で吸い付き舐め回し吸い上げて、ユリウスのペニスを激しく責め立てながら何かを聞く妙子。

 一方ユリウスは妙子の舌技に夢中になって悶え、無意識にカクカクと腰を揺らした。

「ユリのせーしっ! おちんちんからでちゃう、おちんちんからでちゃうからヤメテ! たえこのおくちに、ユリのせーしいっぱいでちゃうぅぅうぁああ────ッ 」

 ドプリと、妙子の口の中にユリウスの子種が広がった。

「アッアッ……もう吸っちゃ、もう吸っちゃやだぁぁああ────ッア────」

 腰を浮かせ、ガクガクと震わせながら妙子に子種を吸い上げられ絞り出されていく快感は、彼女の擬似ペニスに突かれて雌イキする時とはまた違った絶頂感がある。

 勝手に涙が溢れて止まらない、ガクガクと震えながら全て彼女に吸い取られ食べられてしまうみたいな、征服される感覚が堪らない。

 快楽の波の極限まで打ち上げられて、ふわりとした浮遊感のままどれほどいたのかわからない。

 そこから戻ってこようとした時、ユリウスの最奥まで貫く熱に再び、否、先ほどの場所から更に上へと強制的に引き上げられた。

「あ──……やっぱりこれ、クリ凄く気持ち……いや、おちんちんだったか 」

 妙子の変態魔法が再び炸裂していた。

「ふふっ、ユリのちんちんからずっと何かダラダラ溢れてる、あんなに飲んであげたのに。いやらしくてちょお可愛いから乳首もコリコリしてあげるね? 」

 ぐぐぐっとユリウスの腰を上げさせ、垂直に突き入れるように小刻みに最奥を剛直で責め立てながら、両方の乳首を指先で弾くように玩ぶ。

「ッ──ッ──ッ──── 」

 だらだらとペニスから流れ出るそれが自身の顔に垂れて汚される美貌。

「ふふ、綺麗な顔ぐちゃぐちゃ……そんなにきもちぃの? でもなぁ、タエちゃんおまんこにもほしいんだよなぁ……よっと! 」

 妙子はユリウスの脚を掴むと片方を跨ぐようにして入れ替わり、貝合わせのような体勢をとる。

 自身の疑似ペニスをユリウスへ挿れたまま、蜜壺へユリウスの雄を当てがい──挿入させた。

「ん、ユリのおちんちん……根本まで出来ないなぁ……あ、私のは長くすればいいのか! 」

 抽挿が止み、一時責めの地獄から逃れたユリウスだったが、頭が蕩け切って自身のツガイが何をしようとしているのか理解していなかった。

 自身の腰を高々と上げさせられる、所謂ちんぐり返し的な凄く恥ずかしい格好もどこか現実のものと捉えられておらず、ぼうっとされるがままになっていた。

「ッあぁ……すご、これぇ…… 」

「ッあぁ?! 」

 いつの間にか、ユリウスの雄は妙子の蜜壺にパックリとくわえ込まれていた。最奥には彼女のペニスを加えたままで。

「ッ?!ッ──?!?! 」

「さ、ユリ動くよ? 」

「ッ──── 」

 垂直に、上から跳ね落とされるようなバウンドするような攻めがはじまってユリウスはパニックになった。

 前も、後ろも妙子と繋がっている。

 世界一愛おしいツガイと、これ以上無いほどに繋がりあっている。

 そう理解した瞬間、ユリウスの全身が快感に飲まれ断続的な痺れを伴って信じられないほどの愉悦が支配した。

「────、────ッ」

「きもち……きもちぃこれ……あっ……アッアッ……ああっ──── 」

 くたりと、力なくベッドへ倒れ込んだ妙子は訪れた絶頂の余韻に微睡むように突っ伏していた、が、そんな彼女に影がさして────

「アァッ?! な、なに?! ぇ、ユリ?! 」

「妙子……もっと、もっと下さい…… 」

「ぇ、え?え?!アッ、アァッ──── 」

 ユリウスとは逆側に繋がったまま突っ伏していた妙子の脚を跨ぎ、もう一つの足は持ち上げて、膝立ちのユリウスが妙子の蜜壺をむさぼり始めた。

「あっ?!これ、そんな?!そういうこと?! きゃっ、だめ、だめだめだめだめ、こんな! こんな凄いのだめぇ────! 」

 クリを肥大化させた妙子の疑似ペニスはユリウスの蕾に埋められキュウキュウと吸いつかれたまま、蜜壺に差し込まれたユリウスの肉棒が彼女の隘路を小刻みに力強く責めてきた。

「ああ妙子……締まる、そんなに締め付けないで…… 」

「アッアッアッ……アァッ────ッ 」

「イッてる妙子の中、凄く気持ちがいいです…… 」

 そう言ってユリウスは自身の蕾をきゅうきゅうと締めながら抽挿を止めないものだから、妙子はイッているのに抽挿されながらクリトリスに吸いつかれているような状態なのだ。

「アッ────ッ────! 」

「嗚呼、妙子……好きです、愛しています妙子……妙子のおっぱい、吸ってもいいですか? 」

 そう言ったユリウスは返事も聞かずに覆い被さったので妙子の疑似ペニスはユリウスから抜けてしまった。

 抜けたと同時、魔法が溶けた妙子の可愛らしい粒を断りもなく摘んだユリウスは、乳房に吸い付きながらコリコリとソレを玩ぶ。

「ッ──── 」

 あまりの責めに思わずユリウスの頭をかき抱いた妙子の行動。頭を撫でたとも取れるそれはユリウスを瞬時に限界まで興奮させた。

 美貌の神官がなりふり構わず女の隘路を貪り尽くす。

「妙子、妙子、妙子、妙子、妙子、妙子、妙子、妙子────ッ 」

「アァァアアア──── 」

「妙子妙子妙子妙子妙子妙子妙子妙子妙子妙子妙子妙子妙子──── 」

 愛液が泡立つほど蜜壺を貪られながら妙子は絶頂し続けた。

 光の加減によって七色にも輝く長い髪を振り乱しながら、王族の血を引く美しい男が夢中で腰を振る。

「気持ち悦い、妙子、妙子の中、最高に気持ち悦いです、もっと……もっと、もっと────嗚呼、妙子おぉぉお────ッ! 」

 最奥に広がった子種を受けて、ビクリと跳ねた妙子はそのまま意識を手放した。